チューダーかオメガか?もしくは?黒革の本格シューズに合わせたいウォッチとは?

2024.02.16
Written by 長谷川剛

対談:ハッサン×ナカD

時計を複数持つのはもう当たり前。問題はそれをどう身に着けるのか? ドレッサーの条件はそれぞれあるが、ヴィンテージウォッチを上手に使いこなしてこそ本物のジェントルマン。そこでファイアーキッズ在籍スタッフのなかでも、特に着こなしにウルサい二人がお題に則して“正解”時計をピックアップ。お互いのコーディネイト理論を戦わせながらウォッチ巧者を決めていく。果してアナタはどっちの味方?

第3回お題アイテム:黒革の本格シューズ

お洒落は足元が肝心。なかでも英国的な黒革のドレスシューズは、世界のウェルドレッサーが必ず揃える基本アイテム。極めてクラシカルであるが、極めてプレーンなデザインは、モダンなパンツとも合わせることが可能。さらにヴィンテージウォッチを小粋に合わせれば、それだけで筋の通ったスタイルが完成するのである。

今回用意した一足は、英国ベンチメイドのオックスフォード。プレーントゥだが、トゥはややスクエアのため都会的な印象。昨今は丸みを強調したカントリーなタイプもリバイバルしている。しかしスマートに大人っぽくいくならこんな一足が定番。もちろんレザーソールのグッドイヤー

<バトルスタッフ紹介>

ハッサン 学生時代からトラッド好きを貫くアラフィフ男子。フリーランスの売文業。趣味は時計とバイクと古い服。ラルフ ローレン・ファンをひた隠しながら、自分らしい着こなしができてるとウソブく元祖負けず嫌い。近眼で老眼
ナカD メディアを操りなんでも金に替えるディレクター。お堅いクライアントを持つため、表向きはジャケパンなどキレイめ系の着こなしを得意とする。ただしお洒落と言われたいため、昨今はムリして古着屋にも顔を出すアラフォー。クルマ狂い

トラッドで固めるかモダンに攻めるか!

ハッサン 長らくスニーカー・トレンドが続いたけど、ドレッシーな革靴がまたぞろ恋しくなってきましたね。

ナカD 確かに。お堅めの会社との打ち合わせも、近年はもっぱらスニーカーで行ってたなー。

ハッサン やっぱり足も甘やかしとくとフニャフニャになってしまうから、ココらで気合い入れ直さんと、男としてダメだよね。

ナカD そう、ハッサンは足以外もフニャちんだからねー。

ハッサン おい! フニャちんってなんだ貴様。こちとら2024もカチンコちんでヤらせてもらってます! でなくてっ!! ガチンコのメンズスタイルを作るには、まず本格的な革靴がナニよりマスト。ビジネスマンのナカDだって同じキモチでしょ?

ナカD いや、僕は逆にジーンズに合わせるなど、黒靴はカジュアルアップに使うかな。時計はブルー文字盤のチューダー プリンスなんかを選んでみたり。ブレスレットに合わせたメタル使いのベルトを添えれば、カジュアルだけど崩れすぎずクールでしょ?

ハッサン ど、どうしたナカD。やけにハンサムで知的な提案じゃないの。

ナカD まーね。どうせハッサンは、お題が黒革の本格靴なら、グレーのスラックスとかのトラッド合わせでしょ? もう聞くまでもナイ。

ハッサン グヌヌ〜。個性的ならなんでもオシャレってのは世間知らずのガクセーで十分! まず王道を極めてからのアレンジで、初めて大人の説得力あるお洒落に仕上がるんじゃい。僕の場合はこの定番の組み合わせに、ネオンイエローのソックスをプラス。で、時計はオメガのパイロット。

ナカD イエローのソックス、イイ大人は選ばんでしょう。変に世間にモマれるとこうなっちゃうんだよなー。しかしこの時計、ミュージアムコレクションのやつ? 見た目は30年代調だけど、現代のオートマチックが入ってるんだよね。ちょいハズし具合が洒落てるかも。

ハッサン でしょでしょ? 本当に古いモノだけで固めると、リアルに古いヒトに見えちゃうからね。

ナカD ハッサンはリアルに古いヒトだから、その辺、結構気にするよね。まあでも何事もヤリすぎは禁物です。で、お次はトップスについて聞きたいんだケド、黒靴にはどんなシャツを合わせます?

ハッサン そうね、トラッド好きだから白のBDシャツじゃないかな。で、ちょいハズしの意味で、時計はダンヒルのエキセントリック。英国なんだけど、スコッチ普通じゃない選びが小粋でしょ(チラッ)

ナカD ……。でもBDシャツって、確かアメリカンじゃない?

ハッサン ポロカラーシャツだから、元々は英国イメージでイイでしょ! ったく細かいやっちゃな。こちとら最初からハズしとも言ってるし! 逆にナカDはどういうシャツで着こなすの?

ナカD まぁ、そんな怒らんでよ。僕は本格靴もモダンに履けると思ってる。だからモードな黒のカットソーシャツで艶っぽくいきたいな。時計はオーデマのCラインで意味アリげに……。

ハッサン はえー、確かにエロかっこいいカモ。シャツがアニエスb.ってのも80sっぽくてアリ。で、bからのCラインってコトか。ともかく、Cラインってガッついてない落ち着いた色気があるよねぇ。

ナカD そうそう。年齢を重ねたオトコだけが醸す香料のかほり…みたいなね。

ハッサン ぅわかるぅ。松田優作のギャッツビーってことでしょ?

ナカD は!? 今はもう佐藤健さんとかでしょ? 本当にハッサンは古いよねー。

ハッサン ぶふ〜〜っ!!(『探偵物語』の工藤ちゃんがコーヒーを吹くイメージで)

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長谷川剛

長谷川剛

1969年東京都生まれ。エムパイヤスネークビルディングに所属し、『asAyan』の編集に携わる。その後(有)イーターに移籍し『asAyan』『メンズクラブ』などを編集。98年からフリー。『ホットドッグプレス』『ポパイ』等の制作に関わる。2001年トランスワールドジャパンに所属し雑誌『HYBRID』『Warp』の編集に携わる。02年フリーとなり、メンズのファッション記事、カタログ製作を中心とする編集ライターとして活動。04年、エディトリアルチーム「04(zeroyon)」を結成。19年、クリエイターオフィス「テーブルロック」に移籍。アパレル関係に加え時計方面の制作も本格化。

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