1980~2000年代に生まれたカルティエのメンズ&レディースウォッチ4選!

2024.02.18
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

ケースフォルムへのこだわりから生まれるカルティエの腕時計は、どれも一目でカルティエだとわかる優れたデザインと完成度の高さが際立っている。ファイヤーキッズの店頭に並ぶ1980年代から2000年代頃のメンズ&レディースウォッチの中から注目の4モデルをピックアップ。

1.カルティエ『サントス オクタゴン』 Ref.AC 9.80 gr(1990年代)

カルティエ『サントス オクタゴン』 Ref.AC 9.80 gr 自動巻き 1990年代 18Kイエローゴールド×ステンレススチールケース 24mm径

かつてカルティエの『サントス』の派生モデルとしてセールスされていた『サントス オクタゴン』。

その名の通り、特徴的なビス止めされた八角形ベゼルを持ち、ステンレススチール×18Kイエローゴールドケースの組み合わせを中心に、ステンレススチールケース、18Kイエローゴールドケースなどの展開があった。サイズはレディースモデルのSMサイズ、メンズモデルのLMの2種類がある。当時大流行したカルティエの『LOVE』シリーズのジュエリーを彷彿させるデザインも秀逸だ。

こちらで紹介する1本は、『サントス オクタゴン』のスタンダードに相応しいステンレススチール×18Kイエローゴールドケース×のコンビモデル。サイズはレディース仕様でケースは24mm径で現代の時計よりもだいぶ小ぶりな部類入る。このコンパクトなケースに自動巻きムーブメントを搭載する本格派の機械式時計であることも評価に値する。文字盤は2時位置にクラックが見られるが、肉眼では気にならない。ケースは大きなダメージはない。

ギフトシーンが到来した今、メンズサイズを探してペアウォッチとして楽しむ選択もお勧めしたい。

2.カルティエ『タンク マスト ドゥ カルティエ SM』  手巻き、ヴェルメイユケース 25mm

カルティエ『タンク マスト ドゥ カルティエ SM』  手巻き、ヴェルメイユケース 25mm(横幅)

以前のコラムで詳しく紹介した『タンク マスト ドゥ カルティエ』。『タンク ルイ カルティエ』のディフュージョンモデルとして、カルティエ及び『タンク』コレクションの認知度のアップに大きく貢献した。

『タンク マスト ドゥ カルティエ』の魅力は、ヴェルメイユケースとダイヤルのバリエーションに尽きる。今回紹介する1980年代に製造されたSMサイズのモデルは、『タンク』コレクションでは珍しいブラックのローマンダイヤルであることがポイントだ。ちなみにサービスダイヤル(交換用のダイヤル)らしいのだが、ブラックダイヤルにホワイトレターの組み合わせは、ファッションアイテムとしての魅力をより一層高めている。

様々なバリエーションが揃う『タンク マスト ドゥ カルティエ』の中から自分好みの1本を探し出そう。

3.カルティエ『パシャ シータイマー』  Ref.1040(1990年代)

カルティエ『パシャ シータイマー』  Ref.1040 自動巻き 1990年代 ステンレススチールケース 38mm径

1985年に初出した『パシャ』は、1943年に製造されたラウンドケースにリューズプロテクターと風防ガラスを保護するためのグリッドを備えたモデルを原型にしたと言われており、現代的なアレンジを加えて完成したコレクションである。1995年にステンレススチールモデル『パシャC』を発表し、人気を博した。

元々はメンズのみの展開だったが、徐々にレディーズ向けにシフトしながら様々な派生モデルが登場したことでコレクションは充実したのだが、2016年を区切りにほとんどのモデルが廃盤となった。その後、2020年にコレクションが復活して現在に至る。

ここで取り上げる『パシャ シータイマー』は、回転ベゼルを持つスポーティなデザインが持ち味。針とインデックスの夜光には、トリチウムが使用されているため、ヴィンテージ感のある雰囲気に仕上がっている。実用性も高く普段使いに適していることもこのモデルの魅力だ。

4.カルティエ『タンク バスキュラント LM』(2000年代)

カルティエ『タンク バスキュラント LM』 Ref.2390 手巻き(Cal.060MC) 2000年代 ステンレススチールケース、25mm(横幅)

『タンク バスキュラント』の歴史は、1932年にカルティエがケースバックを縦に回転させられるカブリオレ機構の開発から始まった。1930年当時の広告では、『タンク カブリオレ』や『リバーシブル バスキュラント』というモデル名が記載されていたそうだ。

その後もカルティエはこのモデルを作り続けていたが、製造本数自体は非常に少なかった。潮目が変わったのは、1997年にカルティエの150周年を記念して『タンク バスキュラント』の限定モデルの登場だった。1999年と2000年代初頭では、CPCP(カルティエ パリ コレクション プリヴェ)から2つモデルが発売された。これと並行して1999年からステンレススチールモデルを市場に投入し、『タンク バスキュラント』の量産が始まった。

ここで紹介するのは、カルティエのパリ ブティック限定の『タンク バスキュラント LM』。主な特徴はケースバックがスケルトン仕様となっていることだ。ダイヤルが前面がギョウシェ彫りになっており、g限定モデルにふさわしい特別感を醸し出している。人と被らない『タンク』を探し求めている人にうってつけのタイムピースである。

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戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

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