GS、ロレックス、ジラール・ペルゴ、白いレザースニーカーに合うのはどれだ?

2024.03.02
Written by 長谷川剛

対談:ハッサン&ナカD

時計を複数持つのはもう当たり前。問題はそれをどう身に着けるのか? ドレッサーの条件はそれぞれあるが、ヴィンテージウォッチを上手に使いこなしてこそ本物のジェントルマンだ。そこで特に着こなしにウルサい二人がお題に則して“正解”時計をピックアップ。お互いのコーディネイト理論を戦わせながらウォッチ巧者を決めていく。果してアナタはどっちの味方?

第4回お題アイテム:ホワイトレザーのスニーカー

軽快なスポーティミックスな装いがメンズファッションのトレンド。であれば足元もスニーカーを主軸としたアクティブに履ける一足が好ましい。ただし大人の品格と清潔感がほしいところ。それら要素を満たしたフットウエアこそ、白色の革をアッパーに用いたテニスシューズ風モデルなのである。

今回用意した一足は、「白革スニーカー」のなかでもオリジンかつベーシックなモデル。一般的なスポーツブランドの定番ゆえに、リーズナブルであるのも嬉しいところ。ただし昨今はラグジュアリーブランドからも多数「白革スニーカー」がリリースされている。よりリッチに仕上げたい場合は、そちらを選ぶのも一つの手。ポイントはソールまでオールホワイトかつ装飾を控えたプレーンなルックスにあり。

<バトルスタッフ紹介>

ハッサン
学生時代からトラッド好きを貫くアラフィフ男子。フリーランスの売文業。趣味は時計とバイクと古い服。ラルフ ローレン・ファンをひた隠しながら、自分らしい着こなしができてるとウソブく元祖負けず嫌い。近眼で老眼
ナカD
メディアを操りなんでも金に替えるディレクター。お堅いクライアントを持つため、表向きはジャケパンなどキレイめ系の着こなしを得意とする。ただしお洒落と言われたいため、昨今はムリして古着屋にも顔を出すアラフォー。クルマ狂い

白スニの良いところは?

ハッサン 前回は“改めて革靴気分だね”なーんて言っちゃったけど、やっぱりスニーカーも外せないよね。

なかD そうね。革靴だと歩ける範囲が決まってるし、夜に飲んだりすると途端に窮屈になるから。

ハッサン だからと言って、イイ歳の男がカラフル系のスポーツスニーカーってのもね。

中D そう、ちょっとエレガントじゃない。

ハッサン だ・か・ら、大人のスニーカーは白革の無地スニーカーに決定させていただきたい。 でもわかるんです! ナカDが学生時代にオールスター履いてイイ思いしたから、今もオールスターを回春薬のように求めちゃうのも! しかしもう大人なんだから、一歩前に出ましょうよ!

ナカD ……じゃあ白革で。

ハッサン あ? ありがとう。で、その白色スニーカー、略して白スニの良いところをおさらいすると、とにかく軽快に履けて上品であること。スポーティながらレザーメイドゆえ、布製モデルに較べて一定の重みというか存在感を持つのがポイントです。

ナカD もう、成人男子は絶対に一足持つべきアイテムってコトね。そんな大人の新定番を、ハッサンはどう履きこなす?

ハッサン 今季はベージュやグレー系の淡いトーンがひとつの鍵。僕ならベージュのリネンパンツで優しげにリゾーティに着こなしたい。で、時計はグランドセイコーのファースト。こういったライトトーンの装いにはゴールド時計がこの上なく似合うのよ。

ナカD 確かにリゾートスタイルと言えばリネンアイテム。これはもう定番よね。金時計はこういった軽さのある装いに、リッチな存在感を添える効果がある。でもそのGS、金無垢でなく確か金張りですよね。

ハッサン チッ、細けぇなお前は。削ってみなきゃンなコト誰も分からんだろ。

ナカD まあ、ハッサンも人間的に金張りだから、似合ってるんじゃない?

ハッサン ……ヤメようよ、そういう削り合い(嗚咽)。じゃあアンタは一体白スニをどう生かす?

ナカD 僕ならブラックの化繊系シャカパンを合わせてシックなモノクロ・スポーティスタイルを作ります。そして合わせる時計はロレのGMTマスター。非常に都会的で間違いのないコーディネイトでしょ?

ハッサン まあ皆が好きそうな合わせ方。でも、なーんかウケ狙いっぽくて、ケチを付けたくなる。

ナカD ハッサンはこういうメジャーな快活スタイル、まったく似合わないからね。まあ嫉妬よね

ハッサン ケッ、こちとら快活クラブの古参やぞ。そんな港区ウケなんか、ハナから狙っちゃいないのよ。なら聞くけど、白スニでオンスタイルを作るときはどうする? コレで大人のセンスが分かっちゃいますよ。

ナカD まあ、僕は品行方正なビジネスマンなので、フツーにグレースラックスで真面目かつスポーティにキメますね。そしてグレーはグレーでも、白スニに合わせて結構ライトな明るいグレー。で、そんなときの時計はジラール・ペルゴのタイプ20。ただのスポーティでないところがミソですね。

ハッサン うわ、ブレゲでないのが逆に通っぽい。ついこの間、第4世代のタイプXXがデビューして話題になっているもんね。そしてこれはレアなcal.720を積んでるところも特徴。しかしナカDは、定時でフライバックからの香水つけて夜遊びに出掛けちゃいそう。

ナカD 夜間飛行が得意ですって、ゲランかよw。うんちくはイイからハッサンの白スニ・オンスタイルを聞かせてよ。

ハッサン 僕は純白のスラックスで清潔感を重視したスポーティコーデかな。やっぱ小汚いヤツとなんか誰もビジネスしたくないでしょ。コレにベージュ系のテーラードジャケット&ハミルトンのイントラマチックでスマートに装いたい。この意味わかる?

ナカD どうせムーブメント対決とかでしょ? そのハミルトンは確かcal.92。ビューレン譲りのマイクロローターだもんね。結構薄仕立てだし、6時デイトも格好イイよね。

ハッサン その通り! よく分かってるね〜。結局男は中味で勝負です。外見なんてオマケ、偉いヒトにはそれが分からんのです。

ナカD なにソレ。ハッサンは「足がなくて」今も電車移動ってことの自虐?

ハッサン そうそう、僕はマイクロローターよろしくハツカネズミのようにクルクル回ってマス……ってもう放っとけ!

writer

長谷川剛

長谷川剛

1969年東京都生まれ。エムパイヤスネークビルディングに所属し、『asAyan』の編集に携わる。その後(有)イーターに移籍し『asAyan』『メンズクラブ』などを編集。98年からフリー。『ホットドッグプレス』『ポパイ』等の制作に関わる。2001年トランスワールドジャパンに所属し雑誌『HYBRID』『Warp』の編集に携わる。02年フリーとなり、メンズのファッション記事、カタログ製作を中心とする編集ライターとして活動。04年、エディトリアルチーム「04(zeroyon)」を結成。19年、クリエイターオフィス「テーブルロック」に移籍。アパレル関係に加え時計方面の制作も本格化。

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