【初心者必見】ヴィンテージ時計の“故障サイン”は?メンテナンスをするタイミングを知ろう
出演:野村店長×佐藤(販売スタッフ)
野村店長が「インパクトあるね(笑)」と語る、横浜本店の販売スタッフ佐藤さんが初登場! 今回はヴィンテージ時計の“故障サイン”について。どういう状態になるとメンテナンスをした方がいいタイミングなのか、野村店長が解説する。
故障サインその1|進み・遅れ
一番わかりやすい“故障サイン”は進みと遅れだ。
「時間が狂うようになったら……というのがまず1つ。進んでいる分には大丈夫みたいなイメージがあるけれど、極端に進むのは油切れでも起こる」(野村店長)
「進みもメンテナンスした方がいい基準ですね」(佐藤さん)
「例えば、1日30秒ずつ進んでいたのが急に1〜2分進むようになったとか、逆に30秒進んでいたのが遅れるようになったとか、そういうタイミングですよね」(野村店長)
テンプ周りの油が切れると振りが小さくなるため早く進むことがあり、輪列の油切れに関しては遅れる傾向にあるという。進んでいたものが遅れるようになったり、遅れていたものが進むようになったりした場合は油切れのサイン。メンテナンスするタイミングだ。
「年代によっても進み・遅れの幅が違うと思うのですが」(佐藤さん)
「そうですね。それこそ1930年代だったら『1〜2分は当たり前でしょ』という感覚で使ってもらった方がいい。それが1970年代だったら30秒〜1分狂うと『異常かな?』という場合もありますので、気になるタイミングでご相談ください」(野村店長)
故障サインその2|風防の曇り
ほかに見逃せない“故障サイン”は風防の曇りだ。
「文字盤が見えづらい……みたいなことがあれば、即入院です。曇るとみんな慌てて外すけれど、外さないでリューズを引いて温め続けてもらうと、外に湿気が逃げることもある」(野村店長)
「曇ってしまうのは防げないものなんですか?」(佐藤さん)
「気をつかえば防げる場合と、1930〜1940年代の時計で気をつかおうが何をしようが曇っちゃう場合もある。真夏に体温で温められている状態で、エアコンが効いている室内に入った時に温度差で結露してしまうとか。そういうのはありますよね」(野村店長)
革ベルトを着けている時は濡らさないように気をつかうのと同じで、なるべく濡らさないようにすることが大切だ。曇りは水分が入ってしまっている状態のため、リューズを引くことで湿気を逃がしやすくすることができる。
また、時計を温め続けていると機械には水滴が付かない。逆に冷えてしまうと機械に水滴が付いてしまい、錆の原因なるため注意した方がよいという。文字盤の劣化にもつながるため、風防に曇りが出たらメンテナンスに出すサインだ。
磁気・衝撃・水。ヴィンテージ時計の注意点
基本的にメンテナンスしていれば故障は現れづらいと思ってよいのだろうか。
「そんなこともないかな。最近多いのは磁気入り。磁気入りは避けられない。この間、自分の時計が方位磁石でぐるぐる回っていた。磁気抜きはいつでも対応できるのは持ってきてもらえれば!」(野村店長)
「スマホとかノートパソコンとか。長時間じゃなくても一瞬でなってしまうものなんですかね?」(佐藤さん)
「よく聞くのが冷蔵庫とかエレベーターとか。長時間でなくとも強い磁石でなる。磁石で留めているバッグとか女性に多いかな。強い磁気が入ると遅れも進みもどっちも出る。お店に持ってきてもらえれば磁気抜きは一瞬。無料です」(野村店長)
一部現行の耐磁性の強い時計を除き、機械式時計は磁気に注意が必要だ。
「1本目に古いものが欲しいという方もいらっしゃるじゃないですか。我々でいうところの1930〜1940年代になると思うのですが、『いきなりそんなに古い時計を買っていいのかな?』みたいな不安がある方へアドバイスをお願いします」(佐藤さん)
「あまり深刻にならない方がいいと思う。1940年代の腕時計は一般の人がしていたわけなので。衝撃と磁気ですね。そこは気をつけて使う必要があるけれど、先ほど話したように『革ベルトは濡らさないよね』くらいの感覚で使ってもらうといいかな」(野村店長)
衝撃に気をつけるという点では、自転車に乗る際には着けない方がよいだろう。急な段差の衝撃には注意したいところだ。もちろん、スポーツをやる際には外すのが鉄則。そして、野村店長は「飲みすぎないこと(笑)」と付け加えた。
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