父から子へ受け継ぎたいヴィンテージ腕時計。プレゼントにおすすめ3選

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

人生の節目の記念品として贈ることも多い「腕時計」。永く身に付けることができ、経年変化によって個体それぞれの色味や表情が楽しめるヴィンテージ腕時計は、「子ども」への特別なプレゼントにもぴったり。今回は「子へ受け継ぎたい」腕時計3本を、父の目線から推しポイントとともに解説していく。

成人祝いで貰って嬉しいチューダーの『オイスター』

まずは野村店長が「実際、息子にプレゼントした時計」という、美しいバラのマークが入ったチューダーの『オイスター』。通称「デカバラ」は特に人気が高く、どんなスタイルやシチュエーションにも馴染む汎用性の高いモデルなので、贈り物に最適な1本だ。

「おじさん的には『チュードルのデカバラ』なんですけどね、ブレス付きをプレゼントしました。本当はGMTをあげようと思っていたんだけど、息子は結構堅い仕事だから『ロレックスではないな』とも思ったし、僕が多分17〜18歳くらいの時に買って愛用していたデカバラをあげました」（野村店長）

「それ以外でもたくさんチョイスがあった中で、なんでデカバラ？」（クリスさん）

「ロレックスが着けにくい職場だろうなというのが1つと、頑丈な時計をあげたいなと思って、アンティークに詳しくない人でもオイスターケースのものだったら、何のこだわりもなく使えるかなと」（野村店長）

贈る相手がアンティーク好きであれば、また違う選択肢もあったかもしれないが、シンプルな『デカバラ』は仕事でもプライベートでも使いやすいのではと考え、選んだと言う。水には弱いが、日常使いとしては充分すぎる仕様だ。

「カッコいいし、誰がしても似合う。これってオイスターケースの特性だよね」（野村店長）

「ロレックスに近いところも入りやすいかなというか、馴染みもあるのかな」（松浦さん）

長く使って欲しい。メンテナンス・耐久性に視点を当てたオメガの『30mmキャリバー』

次に紹介するのは、オメガの1954年製『30mmキャリバー』。ヴィンテージ感ある飛び数字のツートンダイヤルに、内周に夜光が入る珍しいモデルだ。

「僕が初めてヴィンテージに入ったのがオメガからなので、オメガに対しては結構馴染みがあるというか。良い時計をいっぱい見てきましたけど、やはりオメガは良い」（松浦さん）

思い入れのあるブランドを大切な人にも贈りたいという想いと、長く使って欲しいというところで、「メンテナンス性」と「耐久性」も重視していると言う。

「この代表的なモデル『30mmキャリバー』は、字板がちょっと厚めだったり、部品の鉄の素材自体も結構硬くて強いというところのチョイスですね」（松浦さん）

「サイズ感もちょうど良いし、デザイン自体も対称的になっているデザインで、非常に着けやすいかな」（松浦さん）

「クラシックですよね」（クリスさん）

「バランス取れていて良いなと、しかもよく見るとツートンだし」（松浦さん）

腕時計にも流行り・廃りはあるが、クラシックに戻るタイミングは必ずあることから、長い目で見て子どもへの贈り物に選んだと話す。

初代モデルを贈ることに意味がある。セイコー『グランドセイコー』

3本目は、1960年製セイコーの『グランドセイコー』が登場。諏訪精工舎から12型のクラウンをベースに開発された、25石仕様の手巻きムーブメントを搭載した初代グランドセイコーモデル。

「息子が4歳なんですけれど、4年前に現行のカルティエも購入しました。それは生まれ年の時計として渡す用なんですけど、言ってしまえば、私はそれ以外の腕時計も全部渡します」（クリスさん）

「いつあげる設定なの？」（野村店長）

「家から離れるタイミングですね。それが16なのか18なのか20歳なのか分からないですけど、そういった時に引き継ぐ、渡したいなと思っています」（クリスさん）

「お二人のチョイスした理由は素敵です」「でも私はこの点、アメリカ人かもしれないです」とクリスさん。プレゼントを受け取る側のことを考えて、メンテナンス性を重視して頑丈なものを渡したり、次に進む環境に溶け込めるような1本を渡したりと、相手の好みや状況に合わせた選び方の野村店長たちに対して、クリスさんは「自分の好きを届けたい」と言う。

「自分が大切にしてきた1本。大好きなものだから、その大好きを子どもにも届けたい。きっと息子もそれを感じ取って受け取ってくれるというところが一番大切かなと」（クリスさん）

「あと、グランドセイコー1stということで、ここから全てが始まったという意味も兼ねていて」（クリスさん）

「ファースト最高！」（野村店長）

クリスさんには、子どもに伝えたいメッセージがある。『パパみたいに好きなことをやって、自分で好きな人生を生きていく』『好きな人生を生きるために努力する、ただそれだけ』というメッセージにふさわしい1本だと語る。

「腕時計」は永く身につけられることもあり、大切な人への贈り物として人気がある。成人や家を離れるタイミング、ステップアップなど、子どもの人生の節目のプレゼントとしてヴィンテージ腕時計はいかがだろうか。