時計の磁気抜きは自分でできる?磁気に強いヴィンテージ時計

時計の正確性を保つために欠かせないのが、磁気の影響を排除することです。しかし、時計が磁気を帯びてしまった場合、その影響は致命的です。自分で磁気を抜く方法はあるのでしょうか?

時計の磁気とは?

精密機械である腕時計はヒゲゼンマイやバランスホール、自動巻きのローターなど磁気を帯びやすい部品が使用してあります。どの部品も正確な時間を刻むために必要なものであり、磁気を帯びることで正常な動作が妨げられ、少しずつ時計に影響が現れ、時計が進みすぎたり遅れたりします。また、磁化された部品が引き合うことで摩耗が早まり、時計の寿命が短くなることがあります。

磁気は日常生活で帯びる可能性があり、スマートフォンやタブレットなどの電子機器や家電、バッグの磁石の留め具など気づかないところに磁気源が存在します。また、電気工事の現場や工業機械など強い磁気を発生する装置があるところでは強く影響を受けます。

磁気抜きの方法は?自分でできる?

時計の磁気抜き(磁気除去)は、時計が磁気によって狂ってしまった場合に、元の状態に戻すための手段です。これは専門的な技術が必要な場合が多いですが、以下のポイントを考慮すれば、自分でもできるかもしれません。

磁気除去器を使用する

市販されている磁気除去器(消磁器)を使用することで、自宅で時計の磁気抜きができます。磁気除去器はオンラインや時計店で購入することができ、価格は数千円から数万円までさまざまです。製品によって使い方は変わりますが、除去機に近づけたり通過させたりすることで効果があります。

専門店に依頼する

磁気を抜きたい時計が高級である場合や、自信がない場合は時計専門店に依頼するのが安心です。時計店であれば、専門家が適切な手順で磁気を除去してくれます。ます. 特に特殊な機能を持つ時計などは自宅で磁気除去が難しい場合があるので、少しでも不安がある時はプロに任せましょう。

磁気対策

時計が磁気を帯びないようにするための対策にはいくつかの方法があります。まず、磁気源から時計を遠ざけることが重要です。家庭や職場のスマホなどの電子機器や家電製品、磁気アクセサリーから時計を離すことで磁気を避けることができます。また、時計自体が磁気を帯びにくい時計を選ぶことも有効です。これらの時計は内部に磁気の影響を受けにくい素材を使用しており、精度を維持しやすくなっています。

そして、時計を保管する際には、磁気防止ケースを使用したり、磁気源から十分な距離を保つようにします。定期的なメンテナンスも重要です。専門店での点検やクリーニングを定期的に行うことで、時計の精度と寿命を維持することができます。

磁気に強いヴィンテージ時計

磁気に注意が必要なヴィンテージ時計ですが、軟鉄をケースに使用して耐磁性を高めた時計もあります。

IWC インヂュニア

IWC『インヂュニア』は、その防磁性能とエンジニア向けの設計理念で知られています。1955年に登場し、エンジニアや科学者など磁場の影響を受けやすい環境で働くプロフェッショナルをターゲットにしており、かわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』にも登場しています。

『インヂュニア』の内部には軟鉄製のインナーケースがあり、ムーブメントを磁場から保護します。これにより、時計が磁気の影響を受けにくくなっています。IWCは非磁性材料も使用しており、これには特定の合金やシリコン部品が含まれます。また、『インヂュニア』はエレガントで洗練されたデザインが特徴で、スポーティかつフォーマルなシーンにも適しています。

ロレックス ミルガウス

ロレックス『ミルガウス』は、その優れた防磁性能と革新的な技術で高い評価を得ています。1956年に科学者やエンジニア向けに開発され、1000ガウス(ミルガウス)までの磁場に耐えることが名前の由来です。『ミルガウス』は、内部に軟鉄製のシールドを持ち、ムーブメントを磁気から保護します。

ロレックスの高い品質と信頼性により、『ミルガウス』は科学的な環境だけでなく、日常生活でも高い精度を保つことができます。ブランドの卓越した技術とデザインが融合したモデルとして、非常におすすめです。

オメガ レイルマスター

オメガ 『レイルマスター』は、耐磁性能に特化したモデルとして知られています。1957年に鉄道員や科学者向けに開発され、2017年には最新技術を取り入れて再登場しました。復刻された『レイルマスター』では、15000ガウス以上の磁場に耐えることができ、これにより磁気の影響をほぼ完全に排除します。

デザインはクラシックでありながらモダンな要素も取り入れられ、ビジネスシーンでもカジュアルな場面でも適しています。オメガのマスター クロノメーター認定を受けたムーブメントを搭載しており、精度と耐久性においても非常に高い信頼性を誇ります。

まとめ

いかがでしたか?磁気に強いヴィンテージ時計を正しく保護し、その精度を維持するためには、定期的な磁気抜きが不可欠です。自宅での磁気抜きは、適切な知識と道具があれば行うことができますが、慎重に行うことが重要です。また、時計を保管する際には、磁気源から遠ざけることや磁気防止ケースを使用することも有効です。ぜひとも防磁性能の高い時計を選ぶ時やメンテナンスでは、専門店でプロのアドバイスを参考にしましょう。

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