失敗から学ぶ!スタッフが買って後悔したヴィンテージ時計とは?

2024.06.03

出演:野村×松浦×高橋

あまり公に話すことはない裏話。今回は「買わなければよかったかも」と後悔している時計について、ヴィンテージ時計歴の長い野村スーパーバイザー、松浦マネージャー、高橋マネージャーの3人が語った。それぞれの後悔したポイントを押さえておけば、失敗せずに済むかも!?

自分の体型や好みを熟知してから買うべし!

高橋さんは、買って後悔した時計といわれて思い浮かぶのは3本あるという。まず挙げたのは、エベルのステップベゼルだ。

「何が後悔したかというと、小さかったから。30mm径であのデザインは良いかなと思ったけれどダメでした。ロンジンの34mmとかだったら良かったけれど、高いのでまずはエベルを買おうと思いました」(高橋さん)

「見た目は格好良いですよね」(松浦さん)

「見た目は格好良いけれど、腕に乗せてみると自分の体型やスタイルにマッチしなかったです。しかも16mmと足が細い。足細は好きじゃないので後悔しました」(高橋さん)

「ベルトとのバランスは自分の中で合う合わないがあるね」(野村さん)

「着ける機会がないまま手放すとイコール後悔。着けて楽しんでほかの物を買うために手放すパターンは後悔しません」(高橋さん)

高橋さんが買って後悔した時計2本目は、チュードル。オイスターケースの手巻き、シンプルなシルバーフェイスでリベットブレス付きだった。

「チュードル版コマンドー(ロレックス)のイメージで買ってみたものの、やはりコマンドーではないし普通でした。今見たら変わるかもしれないけれど。当時は着ける機会がなくて、リベットブレスだけは残してヘッドだけ手放しました」(高橋さん)

「普通の人だとそれ1本で充分だよね」(野村さん)

普通の人ならば満足できる時計でも、満足できなくなってしまうのがヴィンテージ時計マニアの性(さが)というもの。高橋さんが買って後悔した時計3本目は、オメガのハーフローターだ。

「バリバリのダイヤルだと思って買ったけれど、あまりにも綺麗だったので研究した結果、サービスダイヤルでした。やはりオリジナルを求めたいので興醒めしちゃった」(高橋さん)

オリジナルだと思っていたらリダンだった!

松浦さんが買って後悔した時計も、高橋さんと同じ理由。オリジナルだと思って買った時計が、リダン(修復された文字盤)だと後から気づいたという。

「当時はお金がなかったから月々支払いに行っていました。完全に特別扱いで、月に1〜2万円ずつ払ってようやく手に入れたけれど、後々『あれ? 違うんだな』とわかって。でも時間が経っているから言うに言えない……」(松浦さん)

すでにお気に入りの一本になっていたため手放すことはなく、今も使っているという松浦さん。後悔とまではいかないが、心に少し引っかかりがあるようだ。

当時は、オリジナルであることよりも綺麗にすることが優先されていた時代。後に機械とケースの年代に差があることが発覚することも少なくなかった。

「今はちゃんと調べられていて、情報としてお客さまに伝える土壌ができているのは良いことだと思います。昔は教えてもらえなかった。なぜなら、それがお店の飯のタネだったから」(松浦さん)

「昔の骨董屋さんって、偽物を掴んでも『見る目がなかったね』でおしまいだったからね」(野村さん)

「そうなんですよね。どちらかというと、売る側より買い手側が勉強代を払う感じだったので、今は買う側が守られている時代だと思います」(松浦さん)

注意を払うべきはケースのコンディション

「後悔は相当あるよ」と語る野村さんが買って後悔した時計は、ケースのコンディションが悪いものだ。ケースのコンディションが悪いと、中の機械に影響を及ぼしている可能性も高くなる。

「僕の場合、変色しているものとかが好きな方だから、そういう時計は問題なく買うけれど、ケースのコンディションが悪いのを買って中の機械もガタガタだった時計は失敗している。若い頃はあらゆる時計を買ったけれど、コンディションが悪い時計は売るにも売れないし二束三文。骨董市とかフリーマーケットとかで安く買って失敗したことはたくさんあるよね」(野村さん)

「我々も機械をバラして確認して買うわけじゃないから、開けてみて……というのはありますよね」(松浦さん)

買わずに後悔するパターンもある

買いたいけれど価格的に手が伸びず「買っておけばよかった」と後悔するパターンは、ヴィンテージ愛好家のなかでは“あるある話”。ちなみに、高橋さんは「売らなければよかった」と後悔し、買い戻した経験もあるという。

「その時は買えるタイミングではなく逃して、その後一回も見ていない時計がありますね」(松浦さん)

「どちらかとうと『あの時に買っておけばな』みたいなことは山ほどあるよね。買って後悔の比じゃない」(野村さん)

「ロレックスのエクスプローラーⅠがあるじゃないですか。20代前半くらいの時にあれのギョーシェタイプがあって『こんなのがあるのか。格好良いな!』と思ったんですよ。ずっと頭に残っているけれど、いまだに見かけないですね。30数万円で今だととんでもない価格。30数万円でも当時の自分にとっては高かったです」(松浦さん)

「そりゃそうだよね。時計に30万円かける人なんていなかったから。松ちゃんが20歳ってことは50年くらい前の話でしょう?(笑)」(野村さん)

「50年くらい前だと新品で売っていますね!(笑)」(高橋さん)

安いからと手にしたものの、本当に欲しかった物との差を実感したり、コンディションが悪くて使い物にならなかったり。ファイアーキッズでは、こうした多くの失敗から学んできたスタッフが、買っても後悔しないヴィンテージ時計をおすすめしている。

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