【オーナーインタビュー】 デイトナを指名買い!大人の選択がカッコいい
時計好きに「あなたの時計、見せてください」という企画。今回、時計を見せてもらったのはSNSマーケティング、アパレルブランドの運営、サウナのイベント企画など、多彩な活動を行っている会社の執行役員を務める山崎岩男さん(37歳)。腕にしているのは、ロレックス『コスモグラフデイトナ』だ。
営業マンにとって、腕時計とは名刺代わり
山崎さんの前職は、某大手IT企業の営業マン。自身も30歳を超え、会社役員や、 社会的ステイタスのある人たちとも交流するなかで、“成功者の腕時計”というイメージがおぼろげに見えてきたそうだ。
「正直、ふた手に別れていました。誰もが知るコンサバティブなブランドと、最近話題になっている新興勢力のハイブランド。でも自分自身の力で、地道に成功を積み重ねてきた人って、やっぱりコンサバティブなブランドを着けているんです」
その時のイメージが強くあったのだろう。いよいよ金銭的にも高級時計を購入できるタイミングとなった際に、山崎さんは信頼を置く人物の仲介で、ロレックス『コスモグラグデイトナ』を入手する。はじめから、このモデルの指名買いである。
「僕がデイトナを選んだ理由は、まさにコンサバティブなブランドであること。自分自身が成り上がりを見せたいわけでもないし、実際に、そういう性格でもない。そもそも営業マンなんで、自分をキラキラさせるスタンスでもないんです。そんな中で僕が信頼する人物が、こう言ってくれました。『もういい歳なんだし、今から会社をやっていくと色んな人と会うだろうし、そうなったら腕時計が名刺代わりにもなる』と」
山崎さんは、その助言に刺さったそうだ。ならばロレックス『コスモグラフデイトナ』がいい。『デイトナ』という腕時計の素晴らしさもさることながら、誰もが知る、誰もが良いと認めているモデルを素直に選択する行為が、人間性の証明になる。大人の選択としてカッコいいとも思ったそうだ。
そして、こうも明かしてくれた。
「正直なことを言うと、損をしたくないっていう気持ちもあったかもしれません。だったら、なおさらデイトナを買っておけば? と言われて、背中を押されました」
たしかに『デイトナ』は、資産的な価値が大きい。ロレックスのなかでも一番人気ゆえに、将来の値崩れが想定しづらいからだ。人気すぎて手に入れることが極端に難しいが、逆に言えば欲しい人があまりにも多いので手放す時の苦労がない。仮に、いますぐ銀行に500万円を預けても、日本の金利ではたかがしれている。その点、『デイトナ』ならば、時が経って、値段がさらに上がることさえあるかもしれない。
ちなみに『デイトナ』の色は自分で選ばず、その時に在庫があるもの、今すぐ買えるもので決めたそうだ。超人気モデルである『デイトナ』は、市場在庫が極端に少なく、迷っていたら買うことはできない。今すぐ買えるものがご縁のあるものと思って、山崎さんは即決した。
さて、そんな山崎さんに普段の腕時計の着け方を聞くと、「営業職なので、ジャケットスタイルですね」と爽やかな笑顔。逆にスーツの出番が最近は少ないそうだが、全身をガチガチに決めず、カジュアルなアイテムも使いながら、ワンポイントで腕時計を着けるくらいが日常ではちょうどいいそうだ。
「あとは訪問する場所。話す人に合わせて決めています。お前、儲かってんのか? みたいな感じで見られてもちょっと嫌。そういう時はシャツの袖の下に隠しつつ、先方も、同じような腕時計を着けていたら自分も見せつつ、共通の話題を探します。営業マンなんでのその辺を考えるんですけど、やっぱり腕時計をきっかけに話が弾むことはありますね」
writer
土田貴史
ワールドフォトプレス『世界の腕時計』編集部でキャリアをスタート。『MEN’S CLUB』『Goods Press』などを経て、2009年に独立。編集・ライター歴およそ30年。好きが高じて、日本ソムリエ協会の「SAKE DIPLOMA」資格を保有。趣味はもちろん、日本酒を嗜むこと。経年変化により熟成酒が円熟味を増すように、アンティークウオッチにもかけがえのない趣があると思っている。「TYPE 96」のような普遍のデザインが好きだが、スポーツROLEXや、OMEGA、BREITLINGといった王道アイテムも、もちろん大好き。