ロレックス サブマリーナ 文字盤バリエーション総まとめ

2026.05.21
最終更新日時:2026.05.21
Written by 編集部

ロレックス サブマリーナは1953年の誕生以来、ダイバーズウォッチの代名詞として長い歴史を歩んできました。その過程で文字盤にも数多くの仕様変更が加えられており、ギルトダイヤル、ミラーダイヤル、マットダイヤル、フチなし/フチあり、メーターファースト/フィートファースト、夜光塗料の切り替わりなど、多岐にわたるバリエーションが存在します。

本記事では、サブマリーナの文字盤バリエーションを年代順に整理し、それぞれの特徴と見分け方を解説します。ヴィンテージ サブマリーナの購入を検討している方や、お持ちの個体がどのバリエーションに該当するか確認したい方の参考になれば幸いです。


サブマリーナの文字盤変遷概要

ロレックス サブマリーナ 文字盤バリエーション

サブマリーナの文字盤は、大きく分けて4つの時代を経て変遷してきました。1960年代前半のギルト・ミラーダイヤル期、1960年代後半から1970年代にかけてのマットダイヤル期、1980年代のグロス(光沢)ダイヤル期、そしてサファイアクリスタル採用以降の近代期です。

それぞれの時代で文字盤の仕上げ方法、文字の印刷技法、インデックスの夜光の仕様、防水表記の順序などが変更されており、これらの違いがヴィンテージ サブマリーナのバリエーション分類の基礎となっています。以下、年代順に各バリエーションの特徴を見ていきます。


ギルト・ミラーダイヤル期(1960年代前半)

ロレックス サブマリーナ ギルトダイヤル

1960年代前半のサブマリーナに見られるのが、ギルトダイヤルとミラーダイヤルです。

ギルトダイヤルは、光沢のある文字盤に金色(ゴールド)の文字とインデックスを配した仕様です。1960年代前半のRef.5513初期モデルなどに見られ、「ゴールドレター」とも呼ばれます。文字盤表面には艶があり、当時のロレックス スポーツモデルに共通する特徴です。

ミラーダイヤルは、文字盤表面が鏡のように光を反射する仕上げが特徴です。Ref.5513の1966年製前後の個体で確認されており、ゴールドレターとの組み合わせ、さらにインデックス周囲にフチがない「フチなし」仕様との組み合わせが一般的です。

ギルトダイヤル・ミラーダイヤルともに製造期間が短く、現存数が限られています。Cal.1520(26石、18,000振動/時)搭載ですが、初期の個体にはCal.1530が搭載されている場合もあります。


マットダイヤル期(1960年代後半〜1970年代)

1960年代後半に入ると、サブマリーナの文字盤は艶のないマット仕上げへと移行しました。マットダイヤルはギルトダイヤルの光沢感とは対照的に、落ち着いた質感が特徴です。文字やインデックスは白色の印刷に変更され、この仕様が1970年代を通じて長期間にわたり採用されました。

マットダイヤル期のRef.5513には、製造年代によって防水表記の順序やインデックス周囲のフチの有無など、細かな仕様違いが存在します。特にメーターファースト/フィートファーストの表記順序と、マキシダイヤルのマーク番号による分類が、コレクターの間で重視されるポイントです。


メーターファーストとフィートファースト

サブマリーナの文字盤に記載される防水表記の順序は、年代によって変遷しています。

メーターファーストは、防水性能の表記が「200m=660ft」とメートルが先に記載された仕様です。Ref.5513の1967年製前後の個体で確認されています。メーターファーストの文字盤では、SUBMARINERの表記がこの防水表示の下に配されているため、「下サブ」とも呼ばれます。

一方、フィートファーストはフィート表記が先に記載された仕様で、メーターファーストの後に採用されました。メーターファーストからフィートファーストへの切り替えにより、メーターファースト仕様は製造期間が短く、希少なバリエーションとされています。

この時期はミラーダイヤルからマットダイヤルへの切り替わり時期とも重なっており、メーターファーストのマットダイヤルという組み合わせの個体も存在します。


フチなしとフチあり

ロレックス サブマリーナ マットダイヤル

インデックスの夜光塗料の周囲にフチ(枠)があるかないかも、サブマリーナの文字盤を分類する重要な要素です。

「フチなし」は、インデックスの夜光塗料の周囲に金属製のフチがない仕様を指します。Ref.5513の1966年製前後のミラーダイヤルや、1970年代後半〜1980年代前半のマキシダイヤルで見られます。またRef.16800の初期モデル(1980年〜1983年頃)にもフチなし仕様が存在し、サファイアクリスタル採用モデルにおけるフチなしは数年間しか製造されていないため希少とされています。

「フチあり」は、インデックスの夜光の周囲にメタルのフチが設けられた仕様です。Ref.5513では1980年代後期の製造末期に見られ、Ref.16800では1983年頃以降の個体がフチあり仕様となっています。

Ref.16800のフチなし夜光ダイヤルは、1980年から1983年頃までの数年間のみの製造とされており、トリチウム夜光が均一に焼けた個体はヴィンテージとしての表情が豊かです。


マキシダイヤルのマークバリエーション

1970年代後半から1980年代前半のRef.5513に見られるマキシダイヤルには、マーク番号による細かな仕様違いがあります。フチなしタイプのマキシダイヤルに限っても、マーク2、マーク4、マーク5などのバリエーションが確認されています。

  • マーク2: ドットインデックスが大きく、ミニッツトラックに近い位置に配されるのが特徴。1980年製前後の個体に見られます。
  • マーク4: マキシダイヤルの後期型にあたり、SUBMARINERの書体(特にSの字の形状)が特徴的です。1981年製前後の個体で確認されています。
  • マーク5: フチなしマキシダイヤルの最終型です。1983年製前後の個体に見られ、ベゼルインサートも年式に合わせたマーク5仕様が組み合わされます。

マキシダイヤルのマーク分類はRef.5513の製造末期における文字盤変遷を追ううえで重要な知識です。


Ref.16800と168000 — サファイアクリスタル世代の文字盤

Ref.16800はRef.1680の後継モデルとして1980年に登場しました。最大の外装上の変更点はサファイアクリスタルの採用です。文字盤に関しては前述のとおり、初期のフチなし夜光から数年でフチあり夜光へと移行しています。

Ref.168000は1986年頃に登場したモデルで、リファレンス番号が6桁に変更されています。外観やムーブメントにおいてRef.16800との明確な違いは見られませんが、ケースのステンレス素材のグレードが向上したとされています。文字盤の仕様はRef.16800後期のフチあり夜光を踏襲しています。


夜光塗料の変遷 — トリチウムとルミノバ

サブマリーナの文字盤に使用される夜光塗料も、年代によって変遷しています。

トリチウムは1960年代から1990年代前半まで使用された放射性夜光塗料です。経年によって夜光が変色(クリーム色〜茶色に焼ける)するのが特徴で、この焼け具合がヴィンテージ サブマリーナの個性となっています。トリチウム使用の文字盤は、6時位置のインデックス付近に「T SWISS T」や「T<25」などの表記が見られます。

1990年代後半以降は、非放射性のルミノバ(スーパールミノバ)へと切り替えられました。ルミノバは経年変色が起きにくく、輝度もトリチウムより高い特性を持ちます。文字盤の表記は「SWISS MADE」などに変更されています。

トリチウムからルミノバへの切り替わり時期の個体では、文字盤のみルミノバに更新されているケースや、針とインデックスで夜光塗料が異なるケースも存在するため、オリジナル度を確認する際のチェックポイントとなっています。


文字盤バリエーション一覧表

サブマリーナの主な文字盤バリエーションを年代順に整理します。

年代主なRef.文字盤タイプ主な特徴
1960年代前半5513ギルトダイヤル光沢あり、金色文字、フチなし
1960年代前半〜中期5513ミラーダイヤル鏡面仕上げ、ゴールドレター、フチなし
1960年代後半5513メーターファーストマットダイヤル、200m=660ft表記が先、下サブ
1960年代後半〜1970年代5513マットダイヤル(フィートファースト)艶消し仕上げ、白文字
1970年代後半〜1980年代前半5513マキシダイヤル(フチなし)Mk2/Mk4/Mk5等のマーク分類
1980年代後半5513フチあり夜光製造末期、トリチウム夜光
1980〜1983年頃16800フチなし夜光サファイアクリスタル初期、トリチウム
1983年頃〜16800 / 168000フチあり夜光サファイアクリスタル、トリチウム

※ Ref.1680(デイト付きサブマリーナ)の赤サブ・白サブについては別記事で詳しく解説しています。


よくある質問


まとめ

サブマリーナの文字盤バリエーションは、ギルト・ミラーダイヤルからマットダイヤル、フチなし/フチあり、メーターファースト/フィートファースト、マキシダイヤルのマーク分類、さらには夜光塗料の変遷まで、多岐にわたります。27年間のロングセラーであるRef.5513だけでも数多くのバリエーションが存在し、Ref.16800/168000のサファイアクリスタル世代にも初期のフチなし仕様という注目すべき違いがあります。

文字盤のバリエーションを理解することは、ヴィンテージ サブマリーナの年代特定やオリジナル度の判断にも直結します。気になるバリエーションがあれば、ぜひ実物を手に取って確認してみてください。

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