初心者から玄人まで大満足のオメガ。10〜50万円代・予算別で4本

2024.02.05
Written by 編集部

スピードマスターやシーマスターをはじめとしたスポーツウォッチに、コンステレーションなどのドレスウォッチの代表作を抱えるオメガ。幅広い種類を展開しているオメガであれば、ヴィンテージウォッチ初心者も、少し変わり種モデルを探している方にもぴったりの1本が見つかるはずだ。

初心者にすすめたい安定の『シーマスター』18万8000円

まずは「定番中の定番」ということで『シーマスター Ref.168.024 ブレス付き』を紹介する。クロノメーターで自動巻き、ブレス付きで18万8000円はお手頃価格で「良いことしかない」と野村店長と髙橋さんが口を揃えて言う。

「このブレスはサイドのコマがツヤ消しで中のコマがツヤ有りという」(髙橋さん)

「鏡面仕上げですね」(野村店長)

「これならヴィンテージだからとか気にしないで使えますよね。精度も出るし、低いレベルの生活防水もあるし、安心のヴィンテージウォッチです」(髙橋さん)

「アンティークが初めてで『大丈夫かな』『心配だな』という人はこの辺から入ってもらうと良い時計です」(野村店長)

1969年製のシーマスターオートマチックモデルは、シルバー文字盤とドルフィンハンドのシンプルなデザインが魅力的。グレードの高いクロノメーター仕様だ。

「インデックスも黒のペイントが入って視認性が高い」(髙橋さん)

「本当に見やすいし実用的。この辺の黒のラインとかを入れてある時計はやはりクロノメーターが多いですよね」(野村店長)

「同じ顔、同じデザインのノンクロノメーターには、黒いラインとか入ってないですよね」(髙橋さん)

「少しスペシャル感がありますよね。型番も最後にSPと入りますし」(野村店長)

このシーマスターが店に入ってくるのを待っている方もいるほど人気で、すぐに売れてしまうモデルだ。ブレスは純正のライスジュビリーが付いているが、秋冬は金属が冷たいという場合もあるので、季節に合わせて革ベルトに付け替えるのも良い。

1分を計るための変わり種『クロノストップ』19万8000円

2本目は、少し変わり種の1967年製『クロノストップ Ref.145.009』。オメガならではの70年代の雰囲気を感じるデザインと、手の込んだ機械式ワンプッシュクロノを搭載している。価格は19万8000円。

「スピードマスターのプロフェッショナルに入っているのと、90%くらい同じパーツで構成されていますよね。安すぎないですか? という時計ですよね」(野村店長)

「それを言われるとすごい時計…」(髙橋さん)

「ダイヤル凝ってますよね。グレーダイヤルに中央が下がっている立体感のあるダイヤルです」(髙橋さん)

キャリバー865は、簡易式ワンプッシュクロノグラフでプッシャーを1回押すとオレンジの針がスタートして、もう1回押すとストップ、離すとリセットされる不思議なモデル。髙橋さんも「1分を計るためだけに使うんですか(笑)」と、積算計を持たないシンプルなクロノグラフに戸惑う。

「面白いです、普段はクロノグラフは動かしっぱなしのイメージだと思うんですよね。普段は秒針の代わりに動かして、ワンプッシュで戻って再スタートみたいな」(野村店長)

「なるほど、でも秒針代わりに使うのはあまり良くないと言いませんか?」(髙橋さん)

「その通りです。ちゃんと面白く使える時計じゃないかな」(野村店長)

秒針代わりにクロノグラフを常時動かしてしまうと動力の消費が大きく、故障に繋がる可能性があるのでおすすめはしないが、それでも「これは使いたくなる」時計だと言う。

ブラックの文字盤が珍しい『レクタンギュラー』39万8000円

3本目は「アンティーク屋らしい」1940年代製の『レクタングルモデル Cal.T17』。数字の入らないミニマムなデザインに特徴的なインデックス、一段下がったスモールセコンドの組み合わせがポイントだ。

「オメガの角形ムーブ、Cal.T17が入っています。これはPARIS菅ですよね、バネ棒ではなくて巻き込み式のベルトしか付かない」(髙橋さん)

「インデックス周りが凹んでいる感じのブラックダイヤルなので、ギルドと言っていいでしょうね」(野村店長)

オリジナルブラックのダイヤルは珍しく、多少の経年変化は見られるが年代を考慮すれば十分に良い状態だ。この年代の角型時計はメッキケースが多い中、レクタングルモデルはステンレスケースで、なおかつムーブメントが二重構造なのに39万8000円で「安いと言っても良い」という1本。

「この文字盤の作りは戦前ですね。1940年、下手すると1930年後半ぐらいの作り。そう考えると余計にステンレスケースが高級感があります」(野村店長)

「当時は希少金属ですよね」(髙橋さん)

「希少というか加工が難しかったんですよね。真鍮とかに比べると溶ける温度が高いので、加工が難しいという部分で」(野村店長)

「オーラが違いますね。1940年代以前の時計というのは、なかなか精度の部分では後年の時計に比べると出づらかったりするんですけど、やはり雰囲気があります」(髙橋さん)

1930〜1940年代の特徴としては、機械を小型化させているという部分もあり、機械がかなり目一杯入っているため、精度の部分については少し大目に見て欲しいと話す。30秒〜1分は「そんなもんかな」くらいの感覚で、ゆったりした気持ちで使ってもらいたい。

ジェラルド・ジェンタ氏デザインの名品『コンステレーション』49万8000円

最後にご紹介するのは1966年製の『コンステレーション 18KYG ジェンタデザイン 純正尾錠付き』。世界一の時計デザイナーと呼ばれるジェラルド・ジェンタ氏デザインの代表作の一つだ。

「値段が49万8000円です。これは金無垢で安いと言ってもいいんじゃないですかね」(髙橋さん)

「今『オメガの金無垢の時計を買おう』と言ったら、いくらするんですか?」(野村店長)

「とんでもなく高いですよ。尾錠も金無垢でちゃんと付いてますし、そこまで磨いてない面も結構残っていますし」(髙橋さん)

細かな傷はあるが、その分面が残っていて磨きの少ない個体だと言う。裏蓋もシャキッとしており、「星座」という意味を持つシリーズの象徴でもある「天文台」のマークがしっかりと確認できるのも嬉しいポイントだ。光らせようと必死に磨いて金錆っぽいものが出てしまった個体も多いので気をつけたいとも話す。

「金無垢のジェンタ、少し珍しいですよね」(髙橋さん)

「それこそジェンタのコンステレーションを30〜40本見て1本ないかなという」(野村店長)

王道でハイグレードなコンステレーション。見やすいシャンパンダイヤルにクロノメーター表記と星のマークが印象的な1本だ。

野村店長が「幅がありますね」と言うように、この4本以外にもオメガは良い時計が揃っている。

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