【高級時計】日付変更禁止時間帯で変更をやってしまったら?

2024.08.25
Written by 編集部

日付変更禁止時間帯にうっかり日付を変更してしまった!そんなとき、どう対処すればいいのでしょうか?時計の内部メカニズムに負担をかけてしまった場合、適切な対処法を知っておくことが重要です。

日付変更禁止時間帯とは?

日付変更禁止時間帯とは、カレンダー機能のある機械式時計において日付を変更するのを避けるべき時間帯を指します。

カレンダー機能付き腕時計には、日車(カレンダーディスク)と呼ばれるリング状のプレートと、日送り車という歯車が内蔵されています。日車には1から31までの数字が印字されており、内周部分には小さな突起が付いています。日送り車のツメがこの突起に引っかかることで、日付が進む仕組みです。

日送り車は24時間で1周し、日付が変わる直前には日車に接近し、日付の変更が行われた後は再び距離を取ります。この過程は、深夜0時前後に行われます。

さらに、ほとんどのカレンダー付き腕時計には、早送り車という手動で日付を調整するための歯車も組み込まれています。通常、日車は31日で1周しますが、28日や30日で月が終わる場合には、この早送り車を使って日付を手動で調整する必要があります。

多くの時計ブランドでは、日車の回転が24時間で1回転とゆっくりなので、日付変更の前後4時間、つまり午後8時から午前4時までの時間帯が該当します。この時間帯に日付を変更すると、時計の内部機構に負荷がかかり、故障の原因となる可能性があります。

具体的には、日付変更の際にカレンダーメカニズムが動作中であると、日車を動かすための歯車が噛み合っている状態になります。手動で無理に日付を変更すると、これらの歯車が無理な力を受けて損傷する可能性があるのです。これにより、時計の正確な機能が失われたり、修理が必要になることがあります。

カレンダー機能のある機械式時計はすべてに影響

日付変更禁止時間帯の影響を受けるブランドは、主に機械式時計を製造する高級時計メーカーです。これらのブランドでは、内部のメカニズムが非常に精密に設計されているため、日付変更の操作が誤って行われると、内部機構に深刻なダメージを与える可能性があります。以下、代表的なブランドをいくつか挙げて、その特徴と影響について詳しく説明します。

ロレックス

ロレックスは、精密な機械式時計で世界的に有名です。特に、『デイデイト』や『デイトジャスト』などの日付表示機能を備えたモデルが多く、これらのモデルでは日付変更禁止時間帯を守ることが非常に重要です。ロレックスのカレンダーメカニズムは非常に堅牢でありながらも精巧に作られており、誤った操作が機構に深刻な影響を与える可能性があります。

オメガ

オメガは、『スピードマスター』や『シーマスター』など、歴史的なモデルで知られるスイスの高級時計ブランドです。オメガの機械式時計も、日付表示機能を持つものが多く、特にクオーツ式ではなく機械式のモデルにおいて、日付変更禁止時間帯を守ることが推奨されます。オメガのコーアクシャルムーブメントは高精度ですが、メカニズムが複雑なため、日付変更操作に注意が必要です。

タグ・ホイヤー

タグ・ホイヤーはスポーツウォッチやクロノグラフで有名なブランドで、『カレラ』や『アクアレーサー』などのモデルがあります。これらの時計も日付表示機能が付いている場合、日付変更禁止時間帯に注意が必要です。特に、クロノグラフ機能と組み合わせたカレンダー機構は複雑であり、誤った操作が機構にダメージを与える可能性があります。

パテック フィリップ

 パテック フィリップは、超高級時計の代名詞であり、その複雑なカレンダー機構や永久カレンダーを持つモデルが多いです。これらのモデルでは、日付だけでなく、曜日や月、さらには年を示す機能があるため、日付変更禁止時間帯を守ることが特に重要です。誤った操作が複雑なムーブメントに大きな影響を与えるリスクが高いです。

IWC

IWCは、『パイロットウォッチ』や『ポルトギーゼ』などの高級モデルで知られるスイスの時計ブランドです。IWCの時計も、複雑なカレンダー機構を備えているモデルが多く、日付変更禁止時間帯に変更を行うと、機構が損傷する可能性があります。特に、エターナルカレンダーを持つモデルでは注意が必要です。

オーデマ・ピゲ

オーデマ・ピゲは、『ロイヤル オーク』などのアイコニックなモデルを持つ高級時計ブランドです。彼らの時計も、日付表示機能を持つモデルが多く、精密なムーブメントを守るために日付変更禁止時間帯を守ることが推奨されます。

もちろんヴァシュロン・コンスタンタン 、ジャガー・ルクルト、ブレゲなどの他の高級時計ブランドも、同様に日付変更禁止時間帯における操作に注意が必要です。

日付変更禁止時間帯でやってしまった時の対処方法

日付変更禁止時間帯にうっかり日付を変更してしまった場合、適切な対処方法を知っておくことが大切です。まず、操作を中止することが最優先です。もし変更をしている最中に気づいた場合は、すぐに操作を止めましょう。無理に続けると、内部のメカニズムにさらなる負荷がかかり、故障の原因になる可能性があります。

次に、時計の針を安全な時間帯、つまり通常は午前4時以降に合わせることをお勧めします。これにより、日付変更禁止時間帯が終了し、内部メカニズムが正常な状態に戻る可能性があります。その後、再度日付を調整する際は、必ずこの時間帯を避けるようにしましょう。

操作後には時計の動作に異常がないか確認することも重要です。例えば、日付が正しく変更されない、針の動きがスムーズでないといった症状が見られた場合、内部メカニズムに問題が生じている可能性があります。こうした異常を発見した場合は、速やかに専門店やメーカーのサービスセンターで点検してもらうことをお勧めします。専門の技術者が内部の状態を確認し、必要であれば修理を行ってくれます。

まとめ

いかがでしたか?日付変更禁止時間帯にうっかり日付を変更してしまった場合、まず操作を中止し、時計の針を安全な時間帯に合わせてください。動作に異常がないか確認し、問題がある場合は専門店で点検を受けることをお勧めします。腕時計を長く使うためには、定期的なメンテナンスも大切です。時計のケアを怠らず、正しい操作を心がけて、長く良好な状態を維持しましょう。

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