【オーナーインタビュー】新しい出会いを待つ!ロレックスオーナーの時計との向き合い方とは? 〜 SNSクリエイターマネジャー 福圓真人 文=青山 鼓
時計好きに「あなたの時計、見せてください」という企画。今回は、ファイアーキッズのお客様でもある福圓真人さん。所有する時計は4本。いい時計を購入して良かった、と思えた魅力を語っていただいた。
ほとんどがロレックス・スポーツモデル
「ロレックスのスポーツモデルにハマり続けています」と語る、福圓真人(ふくえん・まこと)さん。SNSクリエイターのマネジメントをする会社で、クリエイターたちのマネージャーを務めている。
福圓さんが過去に所有していた時計は20本。そのほとんどがロレックスのスポーツモデルだというが、初めて買ったのは1981年モデルの『エアキング』だった。
「当時30代前半くらいだったんですが、時計に興味がなくてフォッシル製のディーゼルの腕時計をしていたんですよ。でも親しくしていた時計好きの先輩が“そんなんじゃあかん!”と高級時計を勧めてくれて。ロレックスなら価格が落ちないから、気に入らなくても損はしないとか、気分だって変わるとか色々説明してくれて。そういうものかな、と」
ファイアーキッズで吟味して、購入した時計の価格は2011年当時で30万円。それでも、家賃やクルマを除けば高価な物を買ったことがなかった福圓さんにとっては、かなり思い切った挑戦だった。
「ファッション小物だと思っていたんですよ。それに30万円も使うなんて! って思っていました。でも、その時計いいですね、って話しかけられて会話の幅が広がったり、時計を通じて人との出会いが増えたりするんです。買ってよかったなと思いました」
直感で感じた次の時計
たくさんの時計を購入してきた福圓さん。その時計遍歴のはじまりを知るべく、その次に時計を買ったのはいつですか? と聞くと、なんとわずか1年後。
「1993年モデルの赤の『GMTマスターⅡ』でした。コークってやつですね。ここからスポーツモデルにハマりました。当時の金額は98万だったんですけど、これもファイアーキッズで紹介されて。現物を見せてもらって腕につけたときに、もう直感で“俺、この時計買うな……”って感じていました。98万円どうしようって思いながらですけど(笑)」
はじめて買ったロレックス『エアキング』はどこに行くときにも付けるくらい気に入ったという。そして、そこから所有したロレックスに興味を持ち、『GMTマスター』のシリーズではどんなモデルがあるのか、『サブマリーナー』はどんな時計なのか、『デイトナ』を多くの著名人がつけていたのはなぜか、など、専門誌まで購入して調べるほど、ロレックスの世界に魅了されていった。その結果、『エアキング』を購入する前は夢にも思わなかった98万円の時計を購入することになった。
「自分でロレックスを所有したことで、楽しいコミュニティーに入れたなって感じたんですよね。ファイアーキッズに行って鈴木さん(当時の店長、現・顧問)に時計のことを教えてもらうなかで強く感じていました」
セールストークではなく、時計好きがその時計の魅力を教えてくれる。そんな鈴木の喋りを聞くうちに福圓さんはますますロレックスに夢中になっていく。
「『GMTマスターⅡ』はたしかに高価でしたが、俺にもこんな高級時計が買えるんだという実感の強さは、実際買ってみてわかったことでした。買ったからには全力でこの時計に見合う人になろう、という目標ができましたし、この時計に見合うライフスタイルを送る、そのために仕事をもっと頑張ろう、人との出会いも大切にしていこうとか。だいぶ気持ちが高揚したことを覚えていますし、それほどの心の昂りを感じたことは、それ以降なかったかもしれません」
ロレックスほど心を動かさせるものはない
それからの福圓さんは時計を手放したり、購入したりを繰り返す。オーデマ ピゲの『ロイヤル オーク』も買ってはみたものの、ロレックスほど心を動かされず、すぐに手放してしまった。
「もっと長く持っておけば、いますごい価格になっているのに。あのときの自分を殴ってやりたい(笑)。ただ、ロレックスのデザインやストーリーをあわせて魅力に感じないと欲しくならないし、所有していても喜びを感じない。資産価値としてロレックスが安定していることは、安心してロレックスを買える大きな理由ではありますが、資産価値だけでは自分にとっては時計を買う理由にならないと思っています」
さらに、多くの時計をコレクションすることにはこだわらない、と福圓さんは言う。
「腕は一つですし。自分のほかに着けたい人がいるなら、その方に渡ったほうが時計も幸せなんじゃないかという考えはいつもあるんです。その人の人生と一緒に時を刻んで、歩んでいってもらったほうが時計としても嬉しいかもしれませんし、ロレックスというブランドもまたそうして欲しいと思っているように感じています」
だから福圓さんの手元にはいま4つの時計しかない。そのうち一つは現在進行形で売却を考えているという。それは次の時計の購入の準備かと尋ねると、また意外な答えが。
「いま狙っている時計ってないんですよ。落ち着いちゃいましたね。あれが欲しい、これも手に入れたい、という時期は終わってしまって。だから今は、次に出会う時計ってなんだろうなっていう気持ちでいます」
もしかしたら、もっと昔のアンティークのロレックス、たとえば1960年代の『サブマリーナー』が心に響くときが来るかもしれない。
「それを楽しみに待っているんです」と語る福圓さんに、今後どんな時計との出会いがあるのだろう。
writer
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