デザイン性と上品さが光る、角形ヴィンテージ時計3選
出演:野村×宮崎
YouTube企画を始めて約2年。意外にも初の「角形時計特集」をお届け! YouTubeの撮影時に在庫があった中から厳選した角形を3本紹介する。どれもデザイン性が高く上品な印象のあるヴィンテージ時計だ。
アメリカンなブローバ レクタンギュラー
1本目は、ブローバ『レクタンギュラー 1940年代製 10KGF 手巻き』を見ていく。

「個人的な話ですが、角形時計といえば“角金”。1950年代前後くらいのアメリカのイメージがあるので、まさにこの時計はイメージ通り。格好良い一本です」(宮崎さん)
「1990年代に角金ブームがあって、けっこう日本でもアメリカンウォッチを取り扱っているお店が多かった」(野村さん)
「今はブームではないですが、どこかのタイミングでもう一度ブームが来るかもしれないですね。この1940年代のディテールが素敵」(宮崎さん)
「アメリカンウォッチは評価が低いけれど、デザインは秀逸だよね。このケースたまらなくない?」(野村さん)
「Like a BISCO! お菓子のビスコのようなケースがたまらないです(笑)」
1940〜1950年代のアメリカンウォッチは、野村さんが言うようにデザイン性が高いが10万円前後の低価格で手に入るのが魅力だ。機械生産はスイスには及ばないものの、市場はアメリカがNo.1であったため、当時の最先端のデザインが多く見られる。
現在も素敵なアメリカンウォッチがあるはずだが、円安の煽りを受け、なかなか日本では入手できない状況が続く。
「アメリカンウォッチの良いところは、風防に厚みがあるところ。やはりデザイン性は良いですよ。あと明るい金だから品があるよね」(野村さん)
「そこにヴィンテージの魅力が出てきますよね。そして、明るめの金って日本人の肌に違和感なく着けられるイメージがあります」(宮崎さん)
価格は10万円。思わず拍手が湧き起こるほどのお値打ちである。
アメリカンウォッチは同じ機械を使っていることが多く、メンテナンス性にも優れているという。しかし、角形は全般的に非防水であるため、水には注意が必要だ。
Cal.87を搭載。IWC レクタンギュラー
続いて紹介するのは、IWC『レクタンギュラー 1936年製 手巻き Cal.87』。時計の歴史が100年ほどであることを考えると、ヴィンテージの中でもかなり古い時代の時計といえる。

「1930年代でステイブライト。ほぼステンレスと言っていい素材なのがすごいよね」(野村さん)
「この一本に関しては、セイコースタイルケースにも通じるようなシャキッとしたケース。文字盤も格好良いですし雰囲気があります」(宮崎さん)
「ステイブライトはほぼステンレスと変わらないけれど、硬くて加工が難しい。当時時計を作っているのはアメリカ・イギリス・日本もだけれど、ステイブライトをここまで加工できるのはスイスだけだよね。しかもCal.87」(野村さん)
「Cal.89を探している方が多いですけれど、Cal.87格好良いですよね」(宮崎さん)
角形は非防水のため劣化が見られる個体が多いが、これは非常に綺麗な状態で残っている。機械の状態も良好だ。
「パテックフィリップのCal.9-90が角形の最高峰と位置付けられているけれど、Cal.87を参考にしているんじゃないかといわれている。それくらい素晴らしい機械」(野村さん)
価格は63万円となっている。
世界初の腕時計。カルティエ サントス
最後の3本目は、カルティエ『サントス LMサイズ 1980年代製 Ref.2961 グレーゴーストダイヤル Cal.2671』。見る角度によってCARTIERの文字が見え隠れすることから、ゴーストダイヤルと呼ばれている。

「サントスは、カルティエの角形時計としてタンクと並び長い歴史があるわけですが、ファイアーキッズで取り扱うサントスはこの形が多いですね。どこから見ても平面。これがヴィンテージらしい」(宮崎さん)
似たモデルにガルべという時計があるが、リューズ側から見て丸みがあるのがガルべ、平面なのがサントスだ。
「サントスこそ腕時計初といわれている。1904年かな? 軍用時計として懐中時計を腕に巻いていた時代ですけれどね。初の腕時計が角形。角形時計は2種類あって、長方形(レクタングル)と四角形のもの。四角形は手巻きもあるけれど自動巻きが多い」(野村さん)
サントスは20〜50代と、非常に幅広い年齢層から支持されている。特にオシャレなファッション関係者からの人気が高い。
コンビが好きだという宮崎さんは、このサントスも購入候補リストの一つに入っているという。コンビかつ角形の時計は珍しく、唯一無二な存在感がある。しかし、歴史のある定番モデルでもあるという良い要素が詰まった一本だ。
角形時計は厚みが抑えられてあるものが多く、シャツスタイルにもハマる。知的な印象がありデザイン性の高いモデルが多い角形に、ぜひ注目してみては?
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