レベルソだけじゃない!ジャガー・ルクルトの魅力を知る3つの時計

2025.03.06
Written by 編集部

出演:松浦×三好

ファイアーキッズでは「ジャガー・ルクルト」のほかに「ルクルト」と呼ばれるヴィンテージ時計も扱っているが、その違いはご存知だろうか?

ルクルトは、スイス生まれのジャガー・ルクルトが北米向けに展開したブランドのことを指している。今回は、本家ジャガー・ルクルトの3本を紹介しながら、その魅力を探っていく。

松浦さんはジャガー・ルクルトの印象を「実力があるけれど地味。影の実力者」だと語る。時計好きでジャガー・ルクルトを評価しない人はいないが、どうしても代表作のレベルソばかりがフィーチャーされ、他のモデルが影に隠れてしまっていることがその理由だ。一方、三好さんは「デザインが凝っていてファッショナブル」なイメージがあるという。

あえてレベルソ以外のモデルをピックアップして見ていこう。

人気のムーブメントを搭載。ジャガー・ルクルト クッションケース

1本目は、ジャガー・ルクルト『18金無垢クッションケース 1980年代製 Ref.9132 21 純正GF尾錠付き』。

「横に広がったラウンド。腕に乗せても出っ張りはないので非常に着けやすい。ある程度のサイズ感もあるし見やすい時計です。機械は薄型の2針でCal.818が入っているんですけれど、ジャガー・ルクルトの中では比較的ベーシックな人気のムーブメントで評価が高いです」(松浦さん)

「ジャガー・ルクルトはムーブメントを他社に提供していて、意外とみなさんが知っている時計にもジャガー・ルクルトが関与していますよね」(三好さん)

「それが影の実力者といわれる所以。この機械をベースにしてオーデマ・ピゲとかヴァシュロン・コンスタンタンにも採用されているので、非常に評価が高いですよ」(松浦さん)

ラグはほぼ裏側に隠れており、“顔”が目立つデザイン。非常にクラシックな面持ちで歴史が感じられる一本だ。

時計好きにはお馴染み。ジャガー・ルクルト メモボックス

続いて紹介するのは、ジャガー・ルクルト『メモボックス 1970年代製 Ref.875.42』。レベルソと並び時計好きにはお馴染みのアラームウォッチである。

「メモボックスはアラームウォッチです。アラーム用と巻き上げ用の2つのリューズがあります。これは珍しいブルーダイヤルですね。ホワイトもあるのですが、ロゴの位置が違っていろいろ見ていると楽しいです」(三好さん)

「今日紹介するものは最終型で、“スピードビート”という愛称がつきはじめている感じです。28800振動なので精度の安定性がある。一部では“モンスタームーブ”なんて言われるくらい畏怖されている機械みたいですね」(松浦さん)

「外も中も愛され続けている時計ですね」(三好さん)

この個体については、ダイヤルのコンディションが非常に良い。1970年代くらいの時計になると、日焼けで色が飛んでしまうことが多いが、ここまで綺麗に残っているのは珍しい。

「シチズンにもメモボックスフェイスみたいな時計があって、みなさんが憧れてきたオシャレさがあるのかなと思います」(三好さん)

「シチズンのアラームは1958年に出ているんですよ。当時は7,800円くらい。アラームウォッチの歴史を見るのもおもしろいと思います」(松浦さん)

ペンダントにもOK。ジャガー・ルクルト トラベルウォッチ

3本目はファイアーキッズでは扱うのは珍しい時計、ジャガー・ルクルト『アラーム トラベルウォッチ 1960年代製 ケース付き』を紹介する。蓋を返すと置き時計のように使えるジャガー・ルクルトだ。

「この蓋のデザインを見てください! アール・デコ調。素敵な建築の小窓のようなデザインです。これもメモボックスフェイスですかね?」(三好さん)

「トラベルウォッチらしく、アラームが付いていますね」(松浦さん)

「しっかり実用されていたということですね。寝台特急とかに乗ってアラームをかけてこの音で起きていたのかな? ロマンチックな風景を思い浮かべてしまいます」(三好さん)

置き時計としてはもちろん、フックがついているので、長めのチェーンにかけてペンダント時計のようにして楽しむことも可能。三好さんは、チェーンがなければレザーの紐でもオシャレにキマると提案する。

リューズはケースの枠に組み込まれており、すっきりとしたフォルムを邪魔しない作りだ。

「こうして見ていくとジャガー・ルクルトもいいなと思いますし、もっと一般的に知られてもいいメーカーですね。雲上ブランドやロレックスのようにもっと注目されてもいいんじゃないでしょうか。技術力の会社ですから」(松浦さん)

余談だが、ジャガー・ルクルトには『アトモス・クラシック』という気温に反応して動く置き時計がある。ガスの入ったカプセルが、気温の上下で膨張したり収縮したりすることを動力としているという。そういった他にはない技術力を有している。

松浦さんは技術力を。そして、三好さんはデザイン性を推すジャガー・ルクルト。技術もデザインも良ければ言うことナシのブランドだ。

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