キングセイコー 45KS Cal.4502・4500 解説|ハイビート手巻きの後期型モデル
キングセイコーシリーズの中でも、1960年代後半から1970年代にかけて展開された45KSは、第二精工舎(亀戸工場)がハイビート化を推し進めた後期型モデルです。
44KS(Cal.4402)がロービートの手巻き機として展開されていたのに対し、45KSはハイビートキャリバーを搭載し、精度面での飛躍を果たしました。カレンダー付きのCal.4502A、ノンデイトのCal.4500Aと分かれます。
本記事では、45KSの仕様情報をもとに、各リファレンス・キャリバーの特徴を解説します。
45KSの位置づけ――44KSからのハイビート化

45KSは、44KS(Cal.4402)の後継として位置づけられるハイビート手巻きモデルです。
44KSが実用性を重視したロービートモデルであったのに対し、45KSではハイビート化による「精度の向上」が図られました。第二精工舎が諏訪精工舎のグランドセイコー(45GS)と同時期にハイビート化を進めた結果、キングセイコーにもその技術が投入されたことを意味しています。
45KSは1969年から1972年にかけて複数のリファレンスが展開されました。手巻きハイビートという基本構成は共通しながら、カレンダーの有無やクロノメーター認定の有無によって異なるキャリバーが搭載されています。
Cal.4502A――カレンダー付きハイビート手巻き
カレンダー付45KSの中核を成すキャリバーがCal.4502Aです。ハイビート手巻きキャリバーで、カレンダー(デイト)表示機能を備えています。
Ref.4502-7000
Ref.4502-7000は、Cal.4502Aを搭載した45KSの基本モデルです。1969年製の個体が確認されており、初期はスーペリアクロノメーター表記がありました。
裏蓋にはメダリオンが刻まれており、メダリオンの残り具合はコレクション上の評価ポイントとなっています。

Ref.4502-8010
Ref.4502-8010は、当初はスーペリアクロノメーター表記がありました。1969年製から1971年製の個体が確認されており、商品名に「10振動手巻き」と記されるハイビートモデルです。Ref.4502-7000と並んで、45KSを代表するリファレンスです。
Ref.4502-7010
Ref.4502-7010は、Cライン型のケースを採用した後期リファレンスです。丸みを帯びたCライン型のケースにCal.4502Aを搭載しています。
Cライン型ケースは、それまでのセイコースタイルに見られる平面と稜線を強調したシャープな造形とは異なり、曲面を活かした柔らかなデザインが特徴です。1970年代のデザイントレンドを反映した後期型ならではの外観といえます。
Cal.4500A――ノンデイトのハイビート手巻き

45KSにはノンデイト仕様も存在します。Cal.4500Aを搭載したRef.45-7001がそれにあたります。
Ref.45-7001
Ref.45-7001は1970年製のモデルが確認されています。Cal.4500Aはカレンダー機構を持たないハイビート手巻きキャリバーで、文字盤にデイト窓がないぶん、すっきりとした文字盤デザインとなっています。
ケースはセイコースタイルを踏襲したシャープな設計で、カレンダー付きのCal.4502A搭載モデルとはケースデザインにも違いが見られます。ノンデイトモデルはカレンダー付きに比べて実用上需要が少なく、バリエーションとしての希少性があります。
45KS リファレンス・キャリバー比較
| 項目 | Ref.4502-7000 | Ref.4502-8010 | Ref.4502-7010 | Ref.45-7001 |
|---|---|---|---|---|
| キャリバー | Cal.4502A | Cal.4502A | Cal.4502A | Cal.4500A |
| 駆動方式 | 手巻き | 手巻き | 手巻き | 手巻き |
| 振動数 | ハイビート | ハイビート | ハイビート | ハイビート |
| カレンダー | デイト | デイト | デイト | ノンデイト |
| ケース形状 | セイコースタイル | セイコースタイル | Cライン型 | セイコースタイル |
| 確認年代 | 1969年〜 | 1969年〜 | 1972年〜 | 1970年〜 |
44KSから45KSへ――ハイビート化がもたらした変化
44KS(Cal.4402)と45KS(Cal.4502A / Cal.4500A)の最大の違いは、振動数の向上にあります。
| 項目 | 44KS | 45KS |
|---|---|---|
| 代表キャリバー | Cal.4402 | Cal.4502A / Cal.4500A |
| 振動数 | ロービート | ハイビート |
| カレンダー | あり | あり(Cal.4502A)/ なし(Cal.4500A) |
45KSを長く使い続けるためには、定期的なオーバーホールが重要です。
純正KS尾錠について
45KSには純正のKS尾錠(バックル)が付属する個体が存在します。
純正尾錠はキングセイコーの「KS」ロゴが刻まれたもので、当時のオリジナル状態を示す付属品のひとつです。革ベルトに純正尾錠が揃った個体は、オリジナルのコンディションとしての評価が高くなります。
こんな方におすすめしたい――45KSの楽しみ方
ハイビート手巻きの操作感を味わいたい方
45KSはCal.4502A / Cal.4500Aを搭載したハイビート手巻きモデルです。44KS(Cal.4402)のロービートから振動数が向上しており、ハイビート特有のテンポの速い駆動音を毎日のリューズ巻き上げとともに体感できます。自動巻きにはない「手巻きの儀式」を楽しみたい方にとって、精度と操作感を両立したキャリバーです。
セイコースタイルとCライン型、両方のケースデザインに興味がある方
45KSは、初期型のRef.4502-7000がセイコースタイルを踏襲したシャープなケース、後期型のRef.4502-7010が丸みを帯びたCライン型ケースを採用しています。同じCal.4502Aを搭載しながら年代によって異なるデザインが楽しめるため、1960年代後半から1970年代にかけてのケースデザインの変遷を一つのシリーズで追いかけることができます。
ノンデイトのすっきりした文字盤を好む方
Cal.4500Aを搭載したRef.45-7001は、カレンダー表示のないノンデイト仕様です。デイト窓がないぶん文字盤のバランスが整っており、シンプルな3針の佇まいを好む方に適しています。カレンダー付きモデルに比べて生産数が限られており、バリエーションとしての希少性もあります。
45KSに関するよくある質問
Q: Cal.4502AとCal.4500Aの違いは何ですか?
A: Cal.4502Aはカレンダー(デイト)付きのハイビート手巻きキャリバー、Cal.4500Aはカレンダーのないノンデイト仕様のハイビート手巻きキャリバーです。いずれもハイビート仕様で、カレンダー機構の有無が主な違いです。
Q: Ref.4502-7000とRef.4502-7010の違いは何ですか?
A: いずれもCal.4502Aを搭載したカレンダー付きモデルですが、ケース形状が異なります。Ref.4502-7000はセイコースタイルを踏襲したエッジの効いたケース、Ref.4502-7010は丸みを帯びたCライン型のケースを採用しています。Ref.4502-7010は1972年頃の後期型で、1970年代のデザイントレンドを反映した外観が特徴です。
Q: 45KSのハイビート仕様で注意すべきことはありますか?
A: ハイビート仕様のヴィンテージウォッチは、定期的なオーバーホールを実施することで、長期にわたって良好なコンディションを維持できます。
Q: 45KSのノンデイトモデルは珍しいのですか?
A: Cal.4500Aを搭載したRef.45-7001はノンデイト仕様で、カレンダー付きのCal.4502A搭載モデルに比べて生産数が限られています。ノンデイトモデル特有のすっきりとした文字盤を好むコレクターから注目されているバリエーションです。
まとめ
45KSは、第二精工舎が44KSの後継として送り出したハイビート手巻きモデルです。
ハイビートキャリバーを搭載し、カレンダー付きのCal.4502A、ノンデイトのCal.4500A、複数のバリエーションが展開されました。ケースデザインも、セイコースタイルの定義を踏襲したシャープなケースデザインからCライン型の後期型へと変遷しており、同じ45KSでありながら年代によって異なる表情を持つシリーズです。
44KSのロービートからハイビートへの進化、グランドセイコー45GSと同時期のクロノメーター仕様の展開。45KSは、第二精工舎の技術力と精度への追求がキングセイコーに結実したモデルといえます。
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