カルティエ ヴィンテージ入門|初めてのスクエアウォッチ選び

2026.05.13
最終更新日時:2026.05.13

「カルティエの時計を持ってみたい。でもどのモデルを選べばいいのかわからない」——そんな方のためのヴィンテージ入門ガイドです。

カルティエは時計だけでなくジュエリーでも知られるメゾンですが、腕時計の歴史は非常に古く、スクエアウォッチやビス留めベゼルなど独自のデザイン言語を持っています。この記事では、カルティエの代表的なヴィンテージモデルであるタンク・サントス・パシャの3大シリーズを横断的に紹介します。


カルティエ ヴィンテージの3大モデル

カルティエのヴィンテージ時計は、大きく分けて3つのモデルファミリーに分類できます。長方形ケースの「タンク」、ビス留めベゼルの「サントス」、そしてラグジュアリースポーツの「パシャ」です。それぞれに異なる個性があり、使い方やスタイルに合わせた選択が可能です。


タンク——100年続くデザインの定番

カルティエ マストタンク ヴィンテージ

マストタンク

カルティエのタンクシリーズで最も出会う機会が多いのが「マストタンク(Must de Cartier Tank)」です。100年以上続くデザインを持つカルティエ不朽の名作として知られています。

ケースは銀無垢製(シルバー925)で、その上に20ミクロンの金を張り付けた「ヴェルメイユ」仕上げが施されています。裏ブタにはPLAQUE OR G 20Mという刻印が入っています。ムーブメントは手巻きのCal.78-1を搭載しており、仕上げの美しさでも知られるキャリバーです。ケースサイズはSMが約20〜21mm、LMが約23mmで、性別を問わず選べるのも魅力です。

文字盤のバリエーションが豊富なのもマストタンクの特徴です。一番人気はローマンダイヤルですが、ブラック、金の粒がきらめくラピスブルー、イエロー・ホワイト・ピンクゴールドの3色ストライプを配したトリニティモデルなど、コレクション性の高いモデルです。

タンクフランセーズ

タンクフランセーズは、長い歴史のあるタンクシリーズの中でも1997年に発売された比較的新しいモデルで、クラシックなタンクのデザインを現代的に再解釈しています。ケースとブレスレットが一体化したデザインが特徴で、上品なサイズ感と重量感が魅力です。自動巻きのCal.2000を搭載したモデルもあり、マストタンクの手巻きとは異なる実用性を持ちます。ステンレス、18金無垢(ホワイトゴールド・イエローゴールド)など、素材のバリエーションも豊かです。

タンクのその他のバリエーション

タンクシリーズには、PARIS表記のある1970年代製の18金無垢モデルも存在します。文字盤の6時位置と裏面にPARIS表記がある珍しいモデルで、10時位置の隠し文字も独特の魅力を持ちます。そのほか、横長ケースの「タンクディヴァン」(ディヴァンは長椅子を意味します)や「タンクアメリカン」など、同じタンクの名を冠しながらも異なるプロポーションを持つ派生モデルも存在します。


サントス——ビス留めベゼルのスポーティモデル

カルティエ サントス ヴィンテージ

サントスの基本

1904年に誕生したカルティエのサントスシリーズは、カルティエのスポーティラインを代表するモデルです。白地にローマンダイヤルとブルースチールの針が映えるフェイスデザイン、ビス留めされたベゼルやブレスレットが特徴で、一目でカルティエとわかる存在感を放ちます。

ステンレスの純正ブレスレットが装着された自動巻きモデルが中心で、生産終了後も高い人気を誇ります。メンズウォッチですが、大きめの時計を求める女性にも選ばれており、男女問わず人気があるのも魅力です。

サントス オクタゴン

サントスの派生モデルとして特に人気が高いのが「サントス オクタゴン」です。文字盤が丸く、ベゼル周りが八角形になっていることからオクタゴンと呼ばれており、ステンレスとイエローゴールドのコンビモデルが多く見られます。

クォーツモデルは文字盤がマットな白であるのに対し、自動巻きは文字盤が青みがかった白でツヤがあり、ローマ数字のインデックスが上品な印象です。時代背景からクォーツモデルの流通量が多く、機械式モデルは比較的少ない傾向にあります。


パシャ——カルティエのラグジュアリースポーツ

カルティエ パシャC ヴィンテージ

パシャC

パシャCは、カルティエのスポーツウォッチカテゴリを代表するモデルです。35mmサイズで男女を問わず使いやすいラグジュアリースポーツウォッチです。ムーブメントにはETA2892A2を搭載した実用機で、ねじ込みリューズやリューズカバーを備えた防水構造も特徴です。

1990年代製のモデルではトリチウム夜光が経年により変色し、独特のヴィンテージ感が生まれています。ホワイトダイヤルとブラックダイヤルが定番で、ブルースチールの針とホワイト文字盤のコントラストも魅力です。

パシャのバリエーション

パシャシリーズにはベーシックなパシャCのほかにも、いくつかの派生モデルがあります。回転ベゼルを装備したシータイマーは実用的で、38mmのケースサイズはダイバーズウォッチとしてはコンパクトで厚みが抑えられた上品なモデルです。また24時間針を装備したGMTウォッチのパシャCメリディアンや、クロノグラフモデルも存在します。機能性と上品さを両立したモデルが揃っています。


そのほかの注目モデル

タンク・サントス・パシャの3大シリーズ以外にも、カルティエにはヴィンテージファンの目を引くモデルが存在します。

サンチュール

サンチュールは、メンズサイズで幅約27mmと小振りなサイズに金無垢のオクタゴンケースを組み合わせた上品なモデルで、手巻きが中心です。ローマンダイヤルのエナメル文字盤に6時位置のPARIS表記があるレア文字盤など、希少性の高い個体も見られます。

エリプス・トーチュ

楕円を意味するエリプスは、直線と曲線を組み合わせたエレガントなデザインで、18金無垢ケースを採用した高級ラインです。亀の甲羅から着想を得て製造されたトーチュは、独特の曲面を持つケースが特徴です。いずれもローマンダイヤルのエナメル文字盤が透明感と特別感を持つ、コレクター向けのモデルです。


初めてのカルティエ ヴィンテージ——選び方のポイント

ポイント1:手巻きか自動巻きか

カルティエのヴィンテージを選ぶ際、まず決めたいのがムーブメントの種類です。マストタンクの手巻き(Cal.78-1など)は毎日リューズを回す手間がありますが、そのぶんケースが薄く上品な着け心地です。サントスやパシャCの自動巻きは着用するだけで巻き上がるため、日常使いに向いています。

ポイント2:ケース素材と仕上げ

マストタンクのヴェルメイユ(シルバー925+金張り)は経年で金張りが薄くなることがあるため、購入時には金張りの状態を確認することが大切です。サントスやパシャCのステンレスケースは、より耐久性が高く日常使いに適しています。18金無垢モデル(タンクフランセーズ、エリプスなど)は最も高い質感を持ちますが、それだけに特別な一本という位置づけです。

ポイント3:オーバーホールと保証

ヴィンテージ時計は機械式であるため、定期的なメンテナンスが必要です。購入時にはオーバーホールの実施状況や保証の有無を確認することで、初めてのヴィンテージ時計でも安心して使い始められます。

モデルケース形状ムーブメント特徴
マストタンク長方形手巻き(Cal.78-1)ヴェルメイユケース、豊富なダイヤルバリエーション
タンクフランセーズ長方形(一体型ブレス)自動巻き / クォーツケースとブレスの一体デザイン、18金無垢あり
サントススクエア(ラウンド型基調)自動巻き / クォーツビス留めベゼル、ステンレスブレス
サントスオクタゴン八角形ベゼル+丸文字盤自動巻き / クォーツコンビケース、機械式は希少
パシャCラウンド(35mm)自動巻き(ETA2892A2)男女兼用サイズ、ねじ込みリューズ

よくある質問(FAQ)

Q.カルティエのヴィンテージ時計で最初の一本におすすめのモデルは?

A. 初めての方にはマストタンクが候補に挙がります。ケースはシルバー925にヴェルメイユ(金張り)を施した素材で、カルティエらしいゴールドの輝きを楽しめます。手巻き式で操作もシンプルです。サントスやパシャCはステンレスブレスの自動巻きモデルで、より実用的に使いたい方に向いています。

Q.カルティエのタンクとサントスはどう違いますか?

A. タンクは長方形ケースに革ベルトの組み合わせが基本で、ドレスウォッチとしての性格が強いモデルです。一方サントスはビス留めのベゼルとステンレスブレスが特徴で、よりスポーティな印象があります。タンクは手巻きが中心、サントスは自動巻きが中心という違いもあります。

Q.カルティエのヴィンテージ時計のオーバーホールは必要ですか?

A. 機械式時計のため定期的なオーバーホールは必要です。オーバーホール済みで保証が付いた個体を選べば、手巻きや針回しの操作がスムーズな状態で安心して使用できます。

Q.カルティエのマストタンクの「ヴェルメイユ」とは何ですか?

A. ヴェルメイユとは、925シルバー(スターリングシルバー)の上に金を張り付けた素材です。裏ブタの刻印から銀無垢製であることや、その上に20ミクロンの金を張り付けていること(PLAQUE OR G 20M)が確認できます。18金無垢とは異なりますが、カルティエらしいゴールドの輝きを持っています。


まとめ

カルティエのヴィンテージ時計は、タンクの端正なスクエアケース、サントスのビス留めベゼル、パシャのラグジュアリースポーツと、それぞれに明確な個性を持っています。ドレスウォッチとしての上品さを求めるならタンク、スポーティに使いたいならサントスやパシャC、といった選び方が一つの指針になります。いずれのモデルも一目でカルティエとわかるデザインを持ち、ロレックスやオメガとは異なるフランスのメゾンならではの気品を纏えるのが最大の魅力です。

■ ドレスウォッチの上品さを求める → タンク(マストタンク/タンクフランセーズ)
■ スポーティに日常使いしたい → サントス/サントス オクタゴン
■ ラグジュアリースポーツを楽しみたい → パシャC

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