オメガの傑作『コンステレーション』の歴代モデル4選!

2024.05.05

文=戸叶庸之

オメガ初の自動巻き腕時計として、1952年に誕生した『コンステレーション』。その歴代モデルから今の時代でも現役で活躍できるデザインを持つ4本を厳選した。

1.オメガ『コンステレーション』 Ref.168.005(1966年製)

オメガ『コンステレーション』 Ref.168.005 自動巻き(Cal.564) 1966年製 ヴェルメイユケース 34mm径 

ヴィンテージウォッチとして最も『コンステレーション』らしいデザインを挙げるとするなら、“ファセット・コンベックス・ダイヤル”と呼ばれるダイヤルを持つモデルだろう。12の面にカットされたダイヤルは時計史上最も美しいダイヤルデザインのひとつに数えられる。

“ファセット・コンベックス・ダイヤル”はファーストモデルから採用されており、『コンステレーション』の正統的なデザインだと言えるだろう。

ダイヤル12時位置の星のマークは、圧倒的な精度を示す証であり、その一方、『コンステレーション』のデザインは高級機らしいドレッシーなものが多い。

34mm径の小ぶりなケースサイズだが、“ファセット・コンベックス・ダイヤル”による立体感が数字以上の大きさに感じさせる。

ケース素材は様々なバリエーションがある。1966年製の個体はいわゆるヴェルメイユ(金張り)とステンレスとのコンビケースである。ヴェルメイユ特有のエイジングによって、味わい深い1本となっている。

2.オメガ『コンステレーション』 Ref.168.009(1967年製)

オメガ『コンステレーション』 Ref.168.009 自動巻き(Cal.564)、ステンレススチールケース 34mm径

“ファセット・コンベックス・ダイヤル”に匹敵する、オメガ『コンステレーション』を代表するデザインとして知られているのが、ジェラルド・ジェンタが手掛けた“Cライン”と呼ばれるケースだ。一目でそれと分かる独特のケースデザインは非常に人気が高い。『コンステレーション』らしい高級感を残しつつ、ケースとラグを一体化させることで美しいフォルムを描いている。

ここで紹介するのは、おそらく当時の最上級モデルとして製造された18Kイエローゴールドケースの“Cライン”。一般的にゴールドのケースは傷を消すために、修理の際に研磨されることが多いのだが、こちらの個体はオリジナルのフォルムを十分残している。

18Kイエローゴールドケースに合わせたシャンパンカラーのダイヤルは、細かな傷当たりはあるが大きなダメージは見当たらない。ご覧のように、クロノメーター仕様の自動巻きムーブメントCal.564は、素晴らしい保存状態を維持している。

3.オメガ『コンステレーション』  Ref.14777 61SC(1961年製)

オメガ『コンステレーション』  Ref.114777 61SC 自動巻き(Cal.561)
 1961年製 ヴェルメイユケース 37mm径

オメガは昔から大量生産が得意でなおかつ高い品質を保っていた稀なブランドである。

1952年から始まる『コンステレーション』の歴史において、時折イレギュラーなモデルが登場した背景には、オメガの生産性と開発力の高さが抜きん出ていたことが挙げられる。

1961年製のRef.114777 61SCもその一例だろう。第一に注目すべきはサイズ感だ。“ファセット・コンベックス・ダイヤル”や“Cライン”の『コンステレーション』が34mm径であることに対して、このモデルは37mm径と当時の腕時計としてはかなり大きな部類に入る。搭載した自動巻きムーブメントはクロノメーター仕様のCal.561だ。

ダイヤルデザインはかなりシンプルだ。“ファセット・コンベックス・ダイヤル”に近いレイアウトを用いつつも、サンバースト仕上げのフラットなシルバーのダイヤルを採用している。このダイヤルに似合うヴェルメイユケースはかなり綺麗な状態である。

言うなれば、『コンステレーション』のドレッシーな要素を強めたモデルなのだと言えよう。

4.オメガ『コンステレーション インテグレート』 Ref.168.046(1971年製)

オメガ『コンステレーション インテグレート』 Ref.168.046 自動巻き(Cal.1001) 1970年製 ステンレススチールケース、36mm径

『コンステレーション』の歴代モデルの中でも「異色中の異色」呼べる個性的な1本がある。それが『コンステレーション インテグレート』だ。

トノー型のケースに、1970年代らしいケースと一体型のブレスレットの組み合わせは

かなりのインパクトがある。ダイヤルデザインはシンプルでありながら、こだわりが感じられる。シルバーのダイヤルに、ブラックのペイントを施した、時針、分針、インデックスは、非常に雰囲気がある。

ケースサイズは36mm径。現代の腕時計が大きすぎると感じる方には、うってつけのサイズ感だろう。ブレスレットのデザインも個性的で独自性が感じられる。

驚くほど買い求めやすい価格設定であることも嬉しい限りだ。

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