魅力的なのは?『グランドセイコーvs.キングセイコー』白熱トークバトル!

2024.05.06

出演:野村×クリス×宮崎

挨拶もそっちのけで始まった、グランドセイコー(GS)vs.キングセイコー(KS)のトークバトル。ヴィンテージ時計歴36年の野村さんはキングセイコー派。国産時計を愛するクリスさんはグランドセイコー派。白熱する二人に挟まれてたじたじの宮崎さんが、どちらが魅力的に感じたのかをジャッジする……。あなたはどっち派?

開発力はキングセイコーに軍配!?

キングセイコーの機械が生まれたのは東京の亀戸。野村さんは「セイコーの本流は亀戸なわけですよ」と推し、クリスさんもその素晴らしさを認めるものの「機械がすべてではない」と一歩も引かない。

「どんなに素晴らしい機械を作って、どんなに素晴らしいケースに入れても、お届けできなければダメですよ。何かすごいものを作ったら『すごい!』と共感していただいてこそ知名度も上がります。キングセイコーも認知度は高くて最近のリバイバルも素晴らしいけれど、それを支えてきたのはグランドセイコー」(クリスさん)

「確かに、グランドセイコーのおかげなのは間違いないと思う。でも、天文台コンクールで上位独占したのは亀戸製。諏訪(グランドセイコーの製造)も出品しているけれど、結果を出しているのは亀戸。亀戸の開発力ってすごいわけ。しかも割安!」(野村さん)

「そこは良いポイントではありますね」(クリスさん)

野村さんは『キングセイコー ファーストモデル 1962年製 ステンレスケース Ref.J14102E』を手に取り、「ちょっとレアだけれど15万8千円で買えるんだよ! すごく魅力的じゃない?」と求めやすい価格も魅力だと語る。

品質が良いのに割安なのは、グランドセイコーの存在により正当な評価を受けていないからだと野村さんは分析。キングセイコーの最高峰に『44キング クロノメーター』というモデルがあったが、「クロノメーターではない」とクレームがついてしまったことから、独自の規格を設けたグランドセイコーが生まれた背景がある。

世界に名を轟かせるグランドセイコー

クリスさんがグランドセイコーの素晴らしさを語るためにチョイスしたのは、『天文台クロノメーター グランドセイコー 1970年製 Ref.4520-8020 18金無垢ケースブレス』だ。

クリスさんは「諏訪でも亀戸でも、働いていた方の奥底には『セイコーのために』という気持ちがあったと思うんですよ」としつつも、世界に“セイコー”の名を轟かせたのは、グランドセイコーの功名だと強調する。

「グランドセイコーを着けると気分が上がりますよね。キングセイコーファーストを持っている方、格好良い時計です。ただ、言えます。後々グランドセイコーファーストが欲しくなります!」(クリスさん)

「なるほど。それは否定しない」(野村さん)

バリエーション豊富なキングセイコー

続いて野村さんが紹介するのは『キングセイコー 44KS 1965年製 Ref.44-9990 楯メダリオン ノンデイト』。

「何がいいって格好良い。グランドのシリーズとはちょっと違う。ケースのカットとかがより無骨な感じ」(野村さん)

「斜めになったケースのカット、格好良いです」(クリスさん)

「44KSはグランドのベースになるわけだけれど、グランドに負けてないんじゃないの?と感じさせる時計。良いでしょう、ノンデイトがね。これと比較するモデルはグランドのセカンドで日付が付いてしまっている。ロービートでノンデイトが最高なわけですよ」(野村さん)

対抗してクリスさんが出してきたのは『グランドセイコー 45GS 1970年製 Ref.4522-8000』だ。

「ロービートも良いですが、いろいろと改善を重ねていって、シンプルでスタンダードな45。ハイビート化しても手巻きなのが良い。これは収まりも良いですよね」(クリスさん)

「キングセイコーはセイコースタイルケースに収まっていない感じ。普通のトノー型のモデルもあるのがキングの良いところかな。クロノメーターもあるし、ノンクロノメーターもあるし、スーペリアクロノメーターもあるし。バリエーションも楽しめる」(野村さん)

「グランドセイコーに劣る部分があるなかで、工夫していろんなモデルを出してきた。ただ、代表的な時計をポンポン出していたのはグランドセイコー」(クリスさん)

着けてみて良いと感じるのはどっち?

野村さんの持論は「腕に乗せて良いなと思う時計が良い時計」。この点を見るとバリエーションがあるキングセイコーの方が良い時計に出合える可能性が広がりそうだが、中立の立場で聞いていた宮崎さんがそれぞれを腕に着けてみる。

まずは『天文台クロノメーター グランドセイコー 1970年製 Ref.4520-8020 18金無垢ケースブレス』を装着。「これはちょっとすごいですね」と金無垢に圧倒される宮崎さん。野村さんが「これは着ける時計じゃなくて眺める時計だからね」と言うと、クリスさんは「着けないと可哀想ですよ。大切に“たまーに”着ける」と笑った。

次は『キングセイコー 44KS 1965年製 Ref.44-9990 楯メダリオン ノンデイト』。宮崎さんにはこちらの方がしっくりくるようだ。

「やはり宮崎くんくらいの歳だったら、このくらいカジュアル感のある革ベルトで楽しめた方が良いよね?」(野村さん)

すると宮崎さんから「それ、キングセイコーは関係あります?」とツッコミが! 野村さんは「まぁそこはカジュアルっぽくて使いやすいデザインがね……」と軌道修正をはかる。

グランドもキングも。とにかくセイコーが最高!

装着した2本に限れば、グランドセイコーはデザイン性、キングセイコーは実用性が高いが、宮崎さんはバランスを重視したいという。バランスの視点でクリスさんが用意したのは『グランドセイコー 56GS 1971年製 グレーリネンダイヤル 5646-8000』だ。

「白文字盤が多いなかでオリジナルのグレー。最高ですよね。56Gs最後のライン。いろいろな魂が重なり合って工夫を施した最後の1本。ラストサムライ!」(クリスさん)

どっちともジャッジがつかないなか、野村さんが最後に出したのは『キングセイコー 56KS クロノメーターRef.5625-7041 1972年製』。

「文字盤に“CHRONOMETER”って書いてあるんだよ。クロノメーターは世界中で通用するけれど、GS規格は何?と思われる」(野村さん)

「今、国産で見ているじゃないですか。世界なんて関係ないですよ。GSさえ書いてあればそれでOK! 国産最高!」(クリスさん)

トークバトルの結果、宮崎さんの心を掴んだのは、グランドでもキングでもなくセイコー! 宮崎さんは「両方の良さがビジバシ伝わってきて優劣はつけられないなと。セイコーひとまとめに良い!」と語った。しかし、あえて選ぶのなら……と手にしたのは『キングセイコー ファーストモデル 1962年製 ステンレスケース Ref.J14102E』だった。サイズ感が好みだという。

その後もトークバトルは収まらず。ファイアーキッズでは時計愛に溢れたスタッフがあなたをお待ちしている——。

《人気の高い商品は、記事が公開されている頃にはSOLD OUTになっている可能性があります。最新情報を知りたい方は、ぜひファイアーキッズのインスタグラムや公式LINEなどをチェックしてみてください!》

ranking