カルティエとCal.78-1|タンクやオーガニックウッドに搭載された手巻きムーブメントの魅力

2026.05.05
最終更新日時:2026.05.05

カルティエのヴィンテージウォッチを調べていると、Cal.78-1というムーブメント名を目にすることがあります。タンクやマストタンク、さらにはブティック限定のオーガニックタンクウッドにまで搭載されたこの手巻きキャリバーは、1970年代のカルティエを語るうえで欠かせない存在です。

本記事では、Cal.78-1がどのようなモデルに採用され、それぞれにどんな特徴があるのかを解説します。カルティエのヴィンテージウォッチに興味をお持ちの方に向けた内容です。


Cal.78-1とは?カルティエの手巻きムーブメント

Cal.78-1は、カルティエが1970年代の手巻きモデルに搭載した小型ムーブメントです。カルティエのタンクやマストタンクといった定番モデルに採用された、信頼性の高いキャリバーです。

手巻き式であることから、ケースを薄く仕上げられるのが大きな利点です。実際に、Cal.78-1を搭載したモデルのケースサイズは20mm前後と小型で、ラグ幅も15mmと繊細なプロポーションが実現されています。手巻き式のため、薄型ケースとの相性にも優れています。


Cal.78-1搭載モデル:代表的な3つのライン

Cal.78-1は、カルティエの複数のモデルに搭載されています。ここでは、代表的な3つのラインをそれぞれ詳しく見ていきます。

タンクSM(18KYG / PARIS表記)

カルティエ タンクSM 18金無垢ケース PARIS表記

1970年代のカルティエタンク レディース手巻きモデルは、100年以上続くデザインを持つタンクの正統派です。ムーブメントには手巻きのCal.78-1が搭載されています。

タンクには様々な文字盤のバリエーションがありますが、代表的なのはホワイトローマンダイヤルです。10時位置に隠し文字が配されているのも特徴です。ケース素材は18金無垢製で、裏ブタ内側に素材の刻印が入っています。

注目すべきは、文字盤の6時位置と裏面にPARIS表記がある珍しいバリエーションが存在する点です。革ベルトに純正尾錠が組み合わされた仕様も特徴のひとつです。

項目タンクSM(PARIS)の仕様
製造年代1970年代
ムーブメント手巻き / Cal.78-1
文字盤ホワイトローマン
ケース素材18KYG(18金イエローゴールド無垢)
ケースサイズ21mm
ラグ幅15mm
特徴PARIS表記、純正尾錠付き

マストタンク(シルバー925+金張り)

カルティエ マストタンク シルバー925金張り ヴィンテージ

マストタンクは、カルティエ不朽の名作であるタンクをより幅広い層に届けるために展開されたラインです。1970年代のマストタンク レディース手巻きモデルには、Cal.78-1が搭載されています。

アイボリー文字盤にローマンインデックスの組み合わせが上品な印象で、ムーブメントのCal.78-1は丁寧な仕上げが施されたキャリバーです。

ケース素材が18金無垢のタンクSMとの大きな違いは、素材構成にあります。マストタンクのケースは銀無垢(シルバー925)に20ミクロンの金を張り付けたヴェルメイユ仕上げで、裏ブタにはPLAQUE OR G 20Mの刻印が入っています。ケースサイズは20.5mmで、ラグ幅15mm。ベルトにはリザード革ベルトが合わせられています。

項目マストタンクの仕様
製造年代1970年代
ムーブメント手巻き / Cal.78-1
文字盤アイボリー ローマンインデックス
ケース素材シルバー925+金張り20ミクロン
ケースサイズ20.5mm
ラグ幅15mm
特徴PLAQUE OR G 20M刻印

オーガニックタンクウッド(ブティック限定 Ref.20611)

カルティエ ヴィンテージ タンク Cal.78-1搭載モデル

Cal.78-1搭載モデルの中でも、特に希少性が高いのがオーガニックタンクウッド(Ref.20611)です。1975年から1976年にかけて製造された、カルティエロンドン・パリ・ニューヨークブティック限定3000本の大変希少なモデルです。

最大の特徴はケースやダイヤルにウッド素材を用いている点で、ウッド素材の特性上、ダイヤルやケースのひび割れの有無やオリジナルリューズの残存状況が、コンディションを判断するうえでの重要なポイントとなります。

ムーブメントは他のタンク系と同じく手巻きのCal.78-1を搭載しています。一方、年代やコンディションによってはウッドパーツに割れや補修箇所が見られることもあるため、購入時にはウッドパーツの状態確認が特に重要になります。


Cal.78-1搭載モデルの比較

ここまで紹介した3つのモデルラインを、主要なスペックで比較してみましょう。同じCal.78-1を搭載していても、ケース素材やサイズ、希少性は大きく異なります。

モデル製造年代ケース素材ケースサイズ特徴
タンクSM(PARIS)1970年代18KYG無垢21mmPARIS表記、純正尾錠
マストタンク1970年代シルバー925+金張り20.5mm上品なアイボリー文字盤
オーガニックタンクウッド1975〜76年ウッド素材ブティック限定3000本

いずれのモデルもラグ幅15mm前後の繊細なサイズ感で、手巻きならではの薄型ケースが共通点です。素材の違いがそのまま個性の違いとなっており、18金無垢のタンクSMは正統派の高級感、シルバー925のマストタンクは上品な落ち着き、ウッド素材のオーガニックタンクウッドは唯一無二の個性を備えています。


Cal.78-1搭載モデルを選ぶ際のポイント

メンテナンス状態を確認する

Cal.78-1搭載モデルは1970年代のヴィンテージウォッチです。購入時にはオーバーホール(分解掃除)の実施状況を必ず確認しましょう。定期的にメンテナンスが行われている時計であれば、安心して使用できます。

ケース素材による違いを理解する

同じCal.78-1搭載でも、タンクSMの18金無垢、マストタンクのシルバー925+金張り20ミクロン、オーガニックタンクウッドのウッド素材と、ケース素材は大きく異なります。素材によって経年変化の出方や、日常使いでの扱いやすさも変わってきますので、ご自身の使用シーンに合った素材を選ぶことが大切です。

オリジナルパーツの残存状況

ヴィンテージウォッチの価値を左右する重要な要素のひとつが、オリジナルパーツの残存状況です。タンクSMでは純正尾錠の有無、オーガニックタンクウッドではオリジナルリューズの残存状況が確認ポイントになります。裏ブタの刻印やPARIS表記の有無なども、モデルを見極めるうえで参考になります。


こんな方におすすめしたい

カルティエの正統派タンクを18金無垢で楽しみたい方

タンクSM(PARIS表記)は、ホワイトローマンダイヤルに18KYG無垢ケース、ラグ幅15mmという繊細なプロポーションを備えた1970年代の正統派タンクです。文字盤の6時位置と裏面にPARIS表記が入り、純正尾錠付きで残っている個体は、カルティエタンクの本流をそのまま腕元に取り込みたい方に向いた選択肢といえます。

シルバー925+金張りで上品さと手の届きやすさを両立したい方

マストタンクは、シルバー925に20ミクロンの金を張り付けたヴェルメイユ仕上げで、裏ブタにPLAQUE OR G 20Mの刻印が入る1970年代モデルです。アイボリー文字盤にローマンインデックスを合わせた上品な印象で、ケースサイズ20.5mm・ラグ幅15mmと繊細。18金無垢のタンクSMよりも素材構成が異なるラインを試したい方にしっくりくるかもしれません。

ブティック限定の希少なウッドモデルを探している方

オーガニックタンクウッド(Ref.20611)は、1975〜1976年にカルティエロンドン・パリ・ニューヨークブティック限定3000本だけ製造された希少モデルです。ケースとダイヤルにウッド素材が使われており、ウッドパーツの状態が良好な個体に出会えれば、Cal.78-1搭載モデルの中でも唯一無二の存在感を楽しむことができます。

1970年代の薄型手巻きキャリバーそのものに惹かれる方

3つのモデルラインに共通するのは、Cal.78-1という手巻きキャリバーと、20mm前後のケース・ラグ幅15mmという繊細なサイズ感です。手巻きならではの薄型ケースに価値を感じる方は、ケース素材の違いを横並びで見比べながら、自分の使用シーンに合った一本を選ぶのが楽しみになります。


よくある質問(FAQ)

Q.Cal.78-1はどのカルティエモデルに搭載されていますか?

A. Cal.78-1は、カルティエの手巻きモデルに幅広く搭載されています。代表的なモデルとしては、タンクSM(18KYG製)、マストタンク(シルバー925+金張り)、そしてブティック限定のオーガニックタンクウッド(Ref.20611)などがあります。いずれも1970年代を中心とした手巻きモデルです。

Q.Cal.78-1搭載モデルのケースサイズはどのくらいですか?

A. Cal.78-1を搭載したカルティエの代表的なモデルは、タンクSMが約21mm、マストタンクが約20.5mmと、小型のケースサイズが特徴です。いずれもラグ幅15mmの繊細なプロポーションで、手巻きならではの薄型ケースに仕上がっています。

Q.オーガニックタンクウッドとはどんなモデルですか?

A. オーガニックタンクウッドは、1975年から1976年にかけて製造されたカルティエのブティック限定モデル(Ref.20611)です。カルティエロンドン・パリ・ニューヨークのブティック限定で3000本のみ生産された大変希少なモデルで、ケースやダイヤルにウッド素材を使用しているのが最大の特徴です。ムーブメントには手巻きのCal.78-1が搭載されています。

Q.Cal.78-1搭載モデルを購入する際の注意点は?

A. Cal.78-1搭載モデルは1970年代のヴィンテージウォッチのため、メンテナンス状態の確認が重要です。定期的にメンテナンスが行われた時計であれば、安定した動作が期待できます。また、ケース素材(18金無垢、シルバー925+金張りなど)やオリジナルパーツの残存状況(リューズ、尾錠など)も選ぶ際の大切なポイントです。


まとめ

Cal.78-1は、1970年代のカルティエを象徴する手巻きムーブメントです。タンクSM、マストタンク、オーガニックタンクウッドと、搭載モデルによってケース素材やデザインは異なりますが、いずれも丁寧な仕上げが施された信頼性の高いキャリバーです。

18金無垢の正統派から、シルバー925+金張りの上品な仕上がり、そしてブティック限定3000本のウッドモデルまで、Cal.78-1はカルティエの多彩なデザインを支えた縁の下の存在です。ヴィンテージカルティエの購入を検討されている方は、ぜひ実物を手に取って、この手巻きムーブメントの魅力を体感してみてください。

■ 18金無垢で正統派を求める → タンクSM(PARIS)
■ シルバー925+金張りで上品に → マストタンク
■ 唯一無二の希少性を求める → オーガニックタンクウッド(Ref.20611)

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