至高の激レアモデル!グランドセイコーV.F.Aとは?

2023.11.06
Written by 編集部

出演:野村店長×クリス(販売スタッフ)

月差±1分以内の超高精度

テンション高めな「国産最高!」の言葉から始まった今回は、激レアな『グランドセイコー V.F.A』(1970年製/昭和45年製 Ref.6185-8020 61 GS)を紹介する。クリスさんが実際に目にするのは2本目だという。

「特別調整品です!」(野村店長)

「スーパーモデルということですね。どこがスーパーモデルなんですか?」(クリスさん)

「月差の単位だよね」(野村店長)

月差とは時間の精度を表すもので、月差は1カ月あたりのズレを指す。

「これは月差±1分以内。Apple Watchは月差0秒ですけれど、これがすごいのは1970年に月差±1分を達成できたこと」(クリスさん)

「月差が限りなく0秒に近くないと、20〜30度の温度差があると2秒とか差が出ちゃう。やはり10振動ですよね。姿勢差が出にくい。テンプ(機械の心臓部)が高速回転することによって重力の影響を受けにくくなることが大きい。普通のグランドセイコーでも日差±5秒くらいの間隔で調整されていると思う。スペシャルですよ。日差だと2秒以内ってことでしょ?」(野村店長)

立体的なインデックスと珍しい2色の針

ケースはセイコースタイルだ。通常のセイコースタイルケースとの違いは、12時と6時の位置が屋根型にカットされているところ。普通のステンレスケースとは質感も異なり傷にも強そうだ。インデックスは非常に立体的で、クリスさんはスカイスクレイパー(超高層建築)のようだと独特の表現をする。

「(インデックスの)ビルが建ちましたよ。これはロレックスのデイデイト以上に建っていますよね。見やすくするために」(クリスさん)

針の形は特徴がなくシンプルだが、長針はシルバー、短針はブラックと色が違う。野村店長は初めて見た時に、針が交換されたオリジナルではない時計だと勘違いしてしまったほど珍しい組み合わせだ。ちなみに両方シルバーのパターンもあるという。

製造期間が短くレア度が高い!

『グランドセイコー V.F.A』が登場したのは1969年だが、野村店長は1971年製くらいまでしか見たことがないというほど製造期間は短い。一気にクォーツの時代へと流れたからだ。

「V.F.Aはクォーツもあるから、クォーツを含めるとレアじゃないけれどね。でも最初のクォーツのV.F.Aはおもしろいよ。ウルトラマンのカラータイマーってわかるかな? ウルトラマンは地球にいられる時間がもうちょっとしかないという時にライトが点滅するのだけれど、その点滅するライトが付いているんだよ」(野村店長)

文字盤にV.F.Aの表記がないものもあり、バリエーションはいくつか存在している。尾錠は“GS”表記ではなく“SEIKO”表記だが純正。文字盤も“GS”ではなく“GRAND SEIKO”と表記されている。リューズは通常のGSよりも小ぶりな印象だ。

当時の価格は約10万円。普通のグランドセイコーが4万円台であったため倍以上となる。

「当時、オメガ スピードマスターのプロフェッショナルが9万円台。感覚的には海外の高級品と同じくらいの価格で売っているので、それまでのスイスの高級時計と比較しても売る自信があったのだろうね」(野村店長)

特別調整品とは、F1のエンジニアが調整した車に乗るようなもの!?

特別調整品とは、コンクールなどに出品するときに手がけるような特別な技術者が調整した時計のこと。

「V.F.Aのモデルを出すためにムーブメントを大量に作ったわけではなく、ハイレベルエキスパートが調整したものをV.F.Aに搭載してLimitedとしてお届けしていたのですね?」(クリスさん)

「そういう特別品。コンクールに出品するときにスイスまで行って現地で調整をする人たちは、セイコーの中でもエリート。そういう人たちは基本的に市販品を触ることはなかったはず。F1のエンジンを作っている人たちが市販車のエンジンをいじらないじゃない? F1のエンジニアの人たちが市販車を調整して『その車に乗っていいよ』と言われたらスペシャルだよね」(野村店長)

価格は138万円。国産時計としては高いが、レア度を考えると高くないのでは?と野村店長。

野村店長もクリスさんも「勉強不足であまり深い話ができなかった」と振り返る『グランドセイコー V.F.A』だが、実際に腕に着けて見ればその良さがさらに伝わるはずだ。

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