ロンジン 手巻きムーブメント解説

2026.04.27
最終更新日時:2026.04.27
Written by 編集部

ロンジン 手巻きムーブメント ヴィンテージ解説

ロンジンのヴィンテージウォッチに興味を持つと、よく耳にするのが「Cal.30L」という名前です。

1950年代後半から1960年代にかけて製造されたこれらの手巻きムーブメントは、ロンジンの黄金時代を象徴する名機として、今なお多くの時計愛好家を魅了しています。

この記事では、Cal.30Lの特徴や先代キャリバーとの違い、搭載モデルの魅力を詳しくご紹介します。

ロンジン Cal.30L搭載 ヴィンテージ手巻きモデル

Cal.30Lとは――ロンジン手巻きの到達点

Cal.30Lとは、ロンジンが手巻き時計の最盛期に開発したキャリバーです。「30」はムーブメントの直径(リーニュ)に由来し、「L」はスモールセコンド仕様を意味します。

Cal.30Lは手巻きの名機として高く評価されています。1960年代のラウンドケースモデルでは、視認性の良いバーインデックスにスモールセコンド、青焼きの針という組み合わせが見られ、この時代のロンジンならではの上品な仕上がりです。

また、1959年製のRef.7177-1に搭載されたCal.30LSは、オメガの名機30mmキャリバーを参考に設計されたとされるバリエーションです。個体数の少ない機械で、精度に優れた設計として知られています。


先代キャリバー Cal.12.68Z系との関係

Cal.30Lの魅力を理解するには、先代にあたるCal.12.68Z系の存在を知ることが重要です。12.68Zは1930年代から1950年代にかけてロンジンの主力キャリバーとして活躍し、数々の名モデルに搭載されました。

Cal.12.68Z ―― 1930〜50年代の主力

Cal.12.68Zは、ロンジンの手巻きキャリバーの中でも特に人気の高い機械です。トレタケ、セイタケ、ブルズアイ(ツートンダイヤル)、スポーツチーフなど、現在のヴィンテージ市場で高い人気を誇るモデルに搭載されています。粒金メッキが施された美しい仕上げも、この機械の大きな魅力です。

Cal.12.68N ―― センターセコンドの名機

Cal.12.68Nはセンターセコンド仕様のバリエーションです。セイタケの35mmビッグケースなどに搭載されており、ステップベゼルが魅力的なセイタケケースとの組み合わせは、ヴィンテージロンジンの代表的な存在です。粒金メッキされた機械の美しさでも知られています。

12.68Z系からCal.30L系へ ―― 世代交代

1930年代から活躍した12.68Z系の後を受けて、1950年代後半に登場したのがCal.30L系です。12.68Z系がトレタケやセイタケといった30mm前後のケースに搭載されていたのに対し、Cal.30L系は1950年代後半以降のラウンドケースモデルに搭載されるようになりました。オメガの30mmキャリバーを参考にしたという設計思想は、さらなる精度の追求を目指したものでした。


Cal.30L搭載モデルの特徴

Cal.30Lを搭載したモデルには、ヴィンテージの魅力を存分に味わえる多彩なバリエーションが存在します。

1960年代 ラウンドケース アイスブルーダイヤル

1960年代製のラウンドケース スモールセコンド手巻きモデルです。視認性の良いバーインデックスにスモールセコンドと青焼きの針を組み合わせた仕様で、手巻きの名機Cal.30Lを搭載しています。メーカーのアーカイブ(製造記録証明書)が付属するバリエーションもあり、製造年やリファレンスナンバーが確認できます。

1959年製 Ref.7177-1 飛びアラビアダイヤル(Cal.30LS)

1959年製のラウンドケースRef.7177-1は、Cal.30LSを搭載したモデルです。飛びアラビアダイヤルとストレートラグの組み合わせが1950年代らしい端正なデザインです。

ロンジン ヴィンテージ手巻き Cal.30LS Ref.7177-1

ロンジン手巻きキャリバー比較表

ロンジンの手巻きキャリバーを世代ごとに整理すると、以下のようになります。

キャリバー秒針仕様主な搭載モデル・時代特徴
Cal.12.68Nセンターセコンドセイタケ等(1940年代)粒金メッキ、アンティークファンに人気
Cal.12.68Zスモールセコンドトレタケ、ブルズアイ、スポーツチーフ等(1930〜50年代)ロンジンの名作キャリバー
Cal.30Lスモールセコンドラウンドケース等(1950〜60年代)手巻きの名機
Cal.30LSセンターセコンドRef.7177-1等(1959年)OMEGA 30mmキャリバーを参考に設計、個体数少

ヴィンテージロンジン 手巻きモデルの選び方

ヴィンテージロンジンの手巻きモデルを選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめます。

操作の状態を確認する

手巻きの操作感を確認することは、ムーブメントの状態を知る上で非常に大切です。巻き上げ時に引っかかりがないか、針回しが滑らかかといった点を確認しましょう。

ケースとダイヤルの状態

ヴィンテージウォッチでは、小傷はあるが目立つ損傷はないという状態が良好な目安です。トレタケのようにエッジがしっかりと残っているケースや、ブルズアイダイヤルのようなオリジナルの文字盤は、ヴィンテージとしての価値を高めます。文字盤の経年変化もヴィンテージならではの味わいとして楽しめるポイントです。

ベルトの選び方

ヴィンテージロンジンには革ベルトが好相性です。クロコダイル革ベルトや、イタリアンレザーのブッテーロ(裏面ラバー仕様)、さらにヴィンテージモデルに相性の良い「Accurate Form(アキュレイトフォルム)」のレザーベルトなど、個体に合わせた革ベルトの選択肢があります。


よくある質問(FAQ)

Q.Cal.30Lはオメガの30mmキャリバーと関係がありますか?

A. Cal.30LSは、オメガの30mmキャリバーを参考に設計されたとされています。精度に優れた機械として知られています。

Q.Cal.30L搭載モデルにはどのような文字盤がありますか?

A. バーインデックスのアイスブルーダイヤルや、飛びアラビア数字のダイヤルなどが確認されています。1950年代後半から1960年代の製造で、スモールセコンドやストレートラグと組み合わされた個体が見られます。

Q.Cal.30L搭載モデルの先代キャリバーは何ですか?

A. 先代にあたるのがCal.12.68Z(スモールセコンド)およびCal.12.68N(センターセコンド)です。1930年代から1950年代にかけて、トレタケ、セイタケ、ブルズアイ、スポーツチーフなど多くの名モデルに搭載されたロンジンの名作キャリバーです。

Q.ヴィンテージロンジンの手巻きモデルを選ぶときのポイントは?

A. 手巻きの巻き上げ感や針回しの滑らかさ、ケースに目立つ損傷がないこと、文字盤がオリジナルであることが重要です。アーカイブ(メーカー証明書)が付属するモデルは製造年やリファレンスが確認でき、来歴が明確になります。


まとめ

ロンジンのCal.30Lは、先代の名作キャリバー12.68Z系の系譜を受け継ぎ、オメガの30mmキャリバーの設計思想も取り入れた、ロンジン手巻き時計の到達点といえる存在です。スモールセコンドの30L、センターセコンドの30LSという2つのバリエーションがあり、1950年代後半から1960年代のラウンドケースモデルに搭載されました。

先代のCal.12.68Z系がトレタケやブルズアイといった今なお人気の高いモデルに搭載されていたように、Cal.30L系もまた、アイスブルーダイヤルや飛びアラビアダイヤルなど、個性豊かな文字盤と組み合わされた魅力的な個体が存在します。ヴィンテージロンジンの世界を深く知りたい方は、ぜひ実機をお確かめください。

ロンジン ヴィンテージ手巻きモデル ダイヤル詳細

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