オメガ スピードマスター マークII・125|希少バリエーションの魅力と価値を解説

2026.04.13
最終更新日時:2026.04.13
Written by 編集部

スピードマスターといえば「ムーンウォッチ」の愛称で知られるプロフェッショナル(Ref.145.022)が圧倒的な知名度を誇ります。しかし、1960年代後半から1970年代にかけて、オメガはスピードマスターの名を冠した多彩なバリエーションモデルを展開していました。

なかでも「スピードマスター マークII」と「スピードマスター125」は、プロフェッショナルとは全く異なるデザインアプローチで製造された希少モデルです。マークIIの分厚く存在感のあるケースからスピードマスター125の武骨で重厚感のあるケースデザインまで、ムーンウォッチとは一線を画する魅力が詰まっています。

この記事では、これらの希少バリエーションの特徴と選び方を解説します。

スピードマスター マークII:「マークシリーズ」の初代

オメガ スピードマスター マークII

マークIIとは何か

スピードマスター マークII(Ref.145.014)は、1969年に登場したスピードマスターの派生モデルです。分厚く存在感のあるケースが特徴的で、1969年から1972年にかけて発売されたスピードマスターの派生コレクション「マークシリーズ」の初代モデルにあたります。

プロフェッショナルの丸型ケースとは一線を画す、一体型ケース&ブレスレットのトノー型デザインが最大の特徴です。タキメーターはベゼルではなく文字盤外周に配置されており、1970年代の「スポーツ&ラグジュアリー」トレンドを先取りしたモデルと言えます。

Cal.861:名機との共通ムーブメント

マークIIに搭載されたのは、プロフェッショナルにも使われた名機Cal.861です。Cal.861は17石、21,600振動/時の手巻きクロノグラフムーブメントで、1968年以降のスピードマスター プロフェッショナルにも搭載されています。ムーンウォッチと同じ心臓を持つという点は、マークIIの価値を支える重要な要素です。

マークIIの主なバリエーション

マークIIはRef.145.014として1969年から1972年にかけて製造され、純正ステンレスブレスレット付きの一体型デザインが特徴です。裏蓋にはシーマスター譲りのシーホースメダリオンが刻まれています。

文字盤のバリエーションとして、標準的なブラックダイヤルのほか、経年変化によりブラウンに変化した個体も見られます。こうしたブラウンチェンジは、ヴィンテージウォッチ愛好家の間では「トロピカルダイヤル」とも呼ばれ、むしろ魅力として評価されることがあります。

また、チェッカーフラッグのような文字盤を持つ「グランプリダイヤル(レーシングダイヤル)」と呼ばれるバリエーションも存在し、コレクター人気が特に高いモデルです。

スピードマスター125:オメガ創業125周年の記念碑

オメガ創業125周年記念モデル

スピードマスター125は、1973年にオメガ創業125周年(1848年〜1973年)を記念して製造された、約2,000本限定の特別なモデルです。自動巻き・クロノメーター認定・クロノグラフの3つを兼ね備えたモデルです。

Cal.1041搭載の多機能クロノグラフ

オメガ スピードマスター125 Cal.1041搭載

スピードマスター125のリファレンスにはRef.178.0002やRef.378.0801があります。1970年代らしい武骨で重厚感のあるケースデザインに、文字盤にはオメガスピードマスターの文字の下に「125」の数字が配されているのが特徴的です。

ムーブメントにはCal.1041を搭載した2レジスタークロノグラフで、9時位置にGMTと永久秒針、6時位置に積算計を備えた多機能仕様となっています。約2,000本限定という生産数の少なさが、このモデルの希少性を際立たせています。

付属品について

50年以上前の限定モデルであるため、純正ボックスなどの付属品が残っている個体は特に貴重です。

スピードマスター TVスクリーン:もうひとつのCal.1041搭載モデル

Cal.1041系のムーブメントを搭載したモデルとして、1976年製のスピードマスター TVスクリーン Ref.176.0014も存在します。スピードマスターの中でも珍しいTVスクリーン型ケースを採用したクロノグラフで、9時位置にGMT、3時位置にデイデイトを搭載した多機能モデルです。ムーブメントには自動巻きのCal.1045が搭載されています。TVスクリーン型のケース形状は1970年代ならではのデザインで、ムーンウォッチだけがスピードマスターではないことを示すモデルです。

マークII vs スピードマスター125 比較テーブル

項目マークIIスピードマスター125TVスクリーン
製造年1969〜1972年1973年1976年
リファレンスRef.145.014Ref.178.0002 / Ref.378.0801Ref.176.0014
キャリバーCal.861(手巻き)Cal.1041(自動巻き)Cal.1045(自動巻き)
クロノメーターなしありなし
クロノグラフ3レジスター2レジスター2レジスター
ケース形状トノー型一体ケース超大型ラウンドTVスクリーン型
ケースサイズ約41mm約51mm約42mm
生産数比較的多い約2,000本限定限定なし
付加機能タキメーター(文字盤内)GMT、24時間表示、日付GMT、デイデイト

マークIIの文字盤バリエーション

マークIIにはいくつかの文字盤バリエーションが存在します。

バリエーション特徴希少性
ブラックダイヤルスタンダード。最も流通量が多い標準
グランプリダイヤル(レーシング)「チェッカーフラッグのような文字盤」。オレンジのアクセント高い
ブラウンチェンジ経年によりブラックがブラウンに変化した文字盤個体差あり

選び方のポイント

オメガ スピードマスター マークII 選び方

ポイント1:日常使いか、コレクションか

  • マークII:約41mmのケースサイズは現代の感覚でも日常使いに適しています。Cal.861の手巻きクロノグラフとしての操作感を日々楽しめます
  • スピードマスター125:約51mmのケースサイズは1970年代らしい武骨で重厚感がありますが、日常使いには大きすぎると感じる方もいるでしょう。コレクションとしての価値が高いモデルです

ポイント2:手巻きか自動巻きか

  • マークII(Cal.861):手巻きクロノグラフの醍醐味を味わいたい方に。プロフェッショナルと同じ名機を搭載
  • スピードマスター125(Cal.1041):自動巻きクロノメータークロノグラフという仕様に惹かれる方に

ポイント3:ブレスレットと付属品

マークIIは純正ステンレスブレスレット付きの個体が多く、一体型デザインのブレスレットがモデルのアイデンティティです。スピードマスター125は50年以上前の限定モデルであり、純正ボックスなどの付属品が残っている個体は特に貴重です。

こんな方にスピードマスター マークII・125をおすすめしたい

プロフェッショナル(ムーンウォッチ)以外のスピードマスターを探している方

スピードマスターに興味はあるけれど、プロフェッショナル(Ref.145.022)は定番すぎるという方にマークII(Ref.145.014)は魅力的な選択肢です。トノー型の一体型ケース&ブレスレット、タキメーターを文字盤外周に配置したデザインは、丸型ケースのプロフェッショナルとは全く異なる印象を持ちます。それでいてムーブメントはプロフェッショナルと同じCal.861(17石、21,600振動/時)を搭載しており、「ムーンウォッチと同じ心臓」を持つ点が価値を支えています。

1970年代のデザインに惹かれるクロノグラフ好きの方

マークIIの分厚く存在感のあるトノー型ケースや、スピードマスター125の武骨で重厚感のある約51mmケース、TVスクリーン型のRef.176.0014など、1970年代のオメガは独自のデザイン実験に満ちています。グランプリダイヤル(レーシングダイヤル)のようなチェッカーフラッグ柄の文字盤バリエーションも存在し、デザインの個性でクロノグラフを選びたい方にとって豊富な選択肢が揃っています。

手巻きクロノグラフの操作感を日常で楽しみたい方

マークII搭載のCal.861は手巻きクロノグラフです。約41mmのケースサイズは現代の感覚でも日常使いに適しており、毎朝リューズを巻き、プッシャーでクロノグラフを操作するという手巻きクロノグラフならではの体験を日常的に楽しめます。純正ステンレスブレスレット付きの一体型デザインが日常使いの利便性を高めている点もポイントです。

限定モデル・コレクターズピースに惹かれる方

スピードマスター125はオメガ創業125周年(1848〜1973年)を記念した約2,000本限定のモデルで、自動巻き・クロノメーター認定・クロノグラフという3つを兼ね備えた特別な仕様です。Cal.1041搭載の2レジスタークロノグラフで、9時位置にGMTと永久秒針、6時位置に積算計を備えた多機能仕様。50年以上前の限定モデルであり、純正ボックスなどの付属品が残っている個体は特に貴重です。

よくある質問

Q: マークIIとプロフェッショナル(ムーンウォッチ)はどちらがおすすめですか?

A: 「月に行った時計」という唯一無二のストーリーと伝統的な丸型デザインを求めるならプロフェッショナル。1970年代のモダンデザインと一体型ケース&ブレスレットの個性を求めるならマークIIがおすすめです。どちらもCal.861を搭載しており、ムーブメントの品質は同等です。

Q: スピードマスター125は日常使いできますか?

A: 約51mmのケースサイズは日常使いには大きいと感じる方が多いです。1970年代らしい武骨で重厚感のあるケースデザインであり、コレクションとしての魅力がより大きいモデルと言えます。

Q: マークIIのグランプリダイヤルとは何ですか?

A: チェッカーフラッグ柄の文字盤を持つバリエーションで、「グランプリダイヤル」や「レーシングダイヤル」とも呼ばれています。通常のブラックダイヤルよりも希少で、コレクター人気が高いモデルです。

Q: マークIIのオーバーホールは可能ですか?

A: 可能です。搭載キャリバーのCal.861はスピードマスター プロフェッショナルにも使われた汎用キャリバーであり、経験豊富な時計師であればメンテナンスできます。17石、21,600振動/時という信頼性の高い設計で、パーツの入手も比較的容易です。

まとめ

スピードマスター マークIIとスピードマスター125は、「ムーンウォッチ」プロフェッショナルの影に隠れた希少バリエーションですが、いずれも1970年代のオメガが見せたデザインの革新性と技術的野心が凝縮された名機です。マークIIの分厚く存在感のあるケースにはプロフェッショナルと同じCal.861の鼓動が宿り、スピードマスター125の約2,000本限定には自動巻きクロノメータークロノグラフという仕様が刻まれています。ムーンウォッチだけがスピードマスターではないことを、これらのモデルは雄弁に物語っています。

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