ロンジン ウルトラクロンとは?|10振動ハイビートの実力
ロンジン ウルトラクロンとは?|10振動ハイビートの実力
ロンジン ウルトラクロン(Ultra-Chron)は、1960年代後半にロンジンが送り出したハイビート自動巻きウォッチです。
毎秒10振動(36,000振動/時)という当時としては画期的なスペックを持ち、精度を追い求めた時代の技術的到達点として、現在もコレクターから高い評価を受けています。
この記事では、ウルトラクロンに搭載されたCal.431の来歴、ケースやダイヤルのバリエーション、さらにCal.6651搭載モデルとの違いまでを整理します。ロンジンのヴィンテージウォッチに興味のある方、ウルトラクロンの購入を検討している方に向けた内容です。

Cal.431 ── ウルトラクロンの心臓部
Cal.431の基本スペック
| 項目 | Cal.431 |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| 振動数 | 36,000振動/時(毎秒10振動) |
| 設計の特徴 | 薄型設計のハイビートムーブメント |
| ローターの特徴 | 「LONGINES」刻印・ロゴ形状のスリット入り |
Cal.431は当時としては画期的な薄型の自動巻き10振動ハイビートムーブメントです。高振動でありながら薄型を実現した点がこのムーブメントの技術的な特徴です。ローターには「LONGINES」の刻印とロゴ形状のスリットが入っており、裏蓋を開けた際の仕上げにも注目すべきポイントがあります。
ウルトラクロンのケースバリエーション
ウルトラクロンは単一のデザインではなく、複数のケース形状が存在します。
ラウンドケース
最もスタンダードな形状です。シルバー文字盤にアップライトバーインデックスを組み合わせた、シンプルながらも飽きのこないデザインが特徴です。Ref.7885-4(ケースサイズ35.5mm)やRef.8301(37mm)など、複数のリファレンスが確認されています。
Cラインケース
1960年代後半から1970年代に多く見られる、ケースサイドにカーブを持たせたデザインです。クロスラインの入ったグレーダイヤルとの組み合わせが多く、Ref.8317 1(35mm)やRef.9071 1といったリファレンスが存在します。
スクエアケース
ウルトラクロンの中でも特に希少性の高いケース形状です。数の少ないモデルとして知られており、ケースサイズ30mm(リューズ別)とラウンドモデルより小ぶりなサイズ感が特徴です。
ケースバリエーション比較
| ケース形状 | 代表的リファレンス | ケースサイズ | 特徴 |
| ラウンド | Ref.7885-4 | 35.5mm | スタンダードな形状、バーインデックス |
| ラウンド | Ref.8301 | 37mm | 純正ステンレスブレス仕様あり |
| Cライン | Ref.8317 1 / Ref.9071 1 | 35mm | クロスライングレーダイヤルが多い |
| スクエア | ― | 30mm | 数の少ない希少モデル |
ダイヤルのバリエーション
シルバーダイヤル
ラウンドケースに多く見られる仕様です。アップライトバーインデックスとの組み合わせで、シンプルながらも飽きのこないドレスウォッチ的な印象を持っています。
グレーダイヤル(クロスライン)
Cラインケースとの組み合わせが多い仕様です。クロスライン(格子状の模様)が文字盤に入ることで、光の当たり方によって表情が変わるのが特徴です。ウルトラクロンの代表的な文字盤の一つです。
ブルーダイヤル
ブルーダイヤルはCal.6651搭載の8振動モデルで確認されています。
ツートーンシルバーダイヤル
クロノメーター認定モデル(Ref.8353)に見られるツートーンのシルバーダイヤルは、バーインデックスと組み合わされた、通常のシルバーダイヤルとは異なる二色使いの文字盤が特徴です。

Cal.431とCal.6651 ── 2つのウルトラクロン
ウルトラクロンにはCal.431(10振動)だけでなく、Cal.6651(8振動)を搭載したモデルも存在します。
| 項目 | Cal.431 | Cal.6651 |
| 振動数 | 36,000振動/時(10振動) | 28,800振動/時(8振動) |
| 駆動方式 | 自動巻き | 自動巻き |
| 設計思想 | 精度追求型ハイビート | 薄型ハイビート |
| 確認ダイヤル色 | シルバー、グレー、ツートーンシルバー | シルバー、ブルー |
| ブレスレット | 純正メッシュブレス/革ベルト | 純正メッシュブレス |
Cal.6651は自動巻きハイビートの薄型ムーブメントで、10振動のCal.431が精度を追い込んだモデルであるのに対し、Cal.6651は8振動ながらも薄型設計を重視したムーブメントという位置づけです。
希少バリエーション ── ダブルネームとクロノメーター
チューラーダブルネーム
文字盤にロンジンとチューラー(Turler)両方の名前が入った特殊モデルが存在します。チューラーはスイスの高級宝飾店で、このダブルネームモデルは希少なバリエーションです。サンレイ仕上げにクロスライン入りの文字盤、バトンハンドに段差のあるインデックスを備え、視認性とデザイン性を兼ね備えた仕上がりとなっています。
クロノメーター認定モデル
10振動のハイビートに加え、クロノメーター認定まで取得した個体は、ウルトラクロンの中でも特に精度面での信頼性が高いモデルです。NOS(新品未使用品)のコンディションで残存しているケースもあります。
ウルトラクロンの付属品とベルト
純正ブレスレット
純正のメッシュブレスはウルトラクロンの定番の組み合わせです。また「純正ステンレス 26045 / FF04」という型番の純正ステンレスブレスも存在します。
革ベルト
純正革ベルトのほか、社外製のレザーベルトに交換されていることもあります。
付属品
スクエアケースモデルでは箱と保証書、クロノメーターモデルでは純正革ベルトとタグが付属するバリエーションがあります。オリジナルの箱・保証書が揃ったモデルは希少です。
こんな方におすすめしたい
精度追求のハイビートに魅力を感じる方
毎秒10振動(36,000振動/時)を実現したCal.431搭載のウルトラクロンは、精度を追い込んだ設計思想が魅力です。ラウンドケースのRef.7885-4やRef.8301が入りやすい選択肢です。
薄型の着け心地を重視する方
8振動ながら薄型設計を重視したCal.6651搭載モデルは、日常使いの着け心地を重視したい方に向いています。ブルーダイヤル仕様もこちらで確認されています。
希少性・コレクション性を重視する方
スクエアケースモデルやチューラーダブルネームは数の少ない希少バリエーションです。ケース形状や文字盤の違いを楽しみたいコレクター志向の方に適しています。
精度面での最高峰を求める方
10振動ハイビートにクロノメーター認定を重ねたRef.8353などは、ウルトラクロンの中でも特に精度面での信頼性が高い選択肢です。ツートーンシルバーダイヤルも見どころです。
よくある質問
Q.ウルトラクロンにはどのようなケース形状がありますか?
A. ラウンドケース、Cラインケース、スクエアケースの3種類が確認されています。スクエアケースは特に数の少ない希少モデルです。ケースサイズはスクエアの30mmからラウンドの37mmまで幅があります。
Q.Cal.431搭載モデルとCal.6651搭載モデルの違いは何ですか?
A. Cal.431は10振動(36,000振動/時)、Cal.6651は8振動(28,800振動/時)です。Cal.431は精度を追い込んだ設計であるのに対し、Cal.6651は薄型設計を重視したムーブメントです。
Q.ウルトラクロンのクロノメーターモデルは存在しますか?
A. はい。Ref.8353などがクロノメーター認定モデルに該当します。10振動自動巻きにクロノメーター認定を加えた、精度面で最高峰のウルトラクロンです。
Q.チューラーダブルネームとは何ですか?
A. スイスの高級宝飾店チューラー(Turler)とロンジンのダブルネームが文字盤に入った特殊モデルです。コレクター評価の高い希少バリエーションです。
まとめ
ロンジン ウルトラクロンは、Cal.431を搭載し、10振動ハイビートという精度追求の思想を体現したモデルです。ラウンド、Cライン、スクエアと複数のケース形状が存在し、シルバーやグレーのクロスラインなど文字盤バリエーションも豊富です。さらにCal.6651搭載の8振動モデルやチューラーダブルネーム、クロノメーター認定モデルなど、収集の奥行きも深いシリーズです。

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