ボーム&メルシエはなぜ安い?知名度と実力のギャップを考える
ボーム&メルシエはなぜ安い?知名度と実力のギャップを考える
「ボーム&メルシエって、なんであんなに安いの?」
ロレックスやオメガと比べると知名度では一歩譲るかもしれません。でも、実際にボーム&メルシエの時計を手に取ってみると、その印象はかなり変わるのではないでしょうか。
1830年創業という歴史を持つこのブランドは、なぜ中古市場で手頃な価格になっているのか。商品データをもとに考えてみます。

ボーム&メルシエはなぜ知名度が低いのか?
日本での認知度が限られていることが、最も大きな理由ではないでしょうか。
ボーム&メルシエは1830年にスイスで創業した老舗ブランドです。歴史だけで言えば、多くの有名ブランドと肩を並べる存在です。しかし、日本市場ではロレックスやオメガのように大規模な広告展開をしてきたわけではなく、街中で見かける機会も多くありません。
知名度が低いということは、中古市場での需要も限られるということです。需要が限られれば、当然価格も控えめになります。これは品質の問題ではなく、あくまで市場の構造がそうさせているだけです。
実際のモデルを見ると何がわかるのか?
18金無垢ケースを使ったモデルが多く存在する、ということがわかります。
ボーム&メルシエの商品データを見ていくと、1950年代のレディースモデルから1970年代、1980年代に至るまで、18金無垢ケースのモデルが繰り返し登場します。ゴールドの時計というと「高級品」のイメージがありますが、ボーム&メルシエの場合は知名度の関係で、18金無垢であっても比較的手に取りやすい価格帯に収まっていることがあります。
同じ18金無垢でも、ロレックスやオメガなら知名度プレミアムが乗りますが、ボーム&メルシエにはそれがほとんどない。素材の価値を考えると、かなりお得な状況と言えるかもしれません。
ケースデザインに個性はあるのか?
スクエアケースやヘキサゴン(六角形)ケースなど、個性的な造形が多いのが特徴です。
たとえば1980年代のタンクモデルは18金無垢に革文字盤を組み合わせた独特のデザインで、同時期のスクエアケースモデル Ref.1718もグレーダイヤルの端正な顔立ちが印象的です。1970年代にはレディース向けにヘキサゴン(六角形)の18金無垢ケースモデルも展開されていました。
ラウンドケースが主流の時計市場において、こうした変わったケース形状を持つモデルは、他のブランドではなかなか見つけにくいものです。「人と被りたくない」という方にとっては、むしろ魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。

ムーブメントの実力はどうなのか?
自社キャリバーを搭載したモデルも存在します。
1980年代のスクエアケースモデル Ref.1718には、Cal.BM17001という自社キャリバーが搭載されています。「ボーム&メルシエは汎用ムーブメントだけ」という印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、自社キャリバーを開発・搭載していた時期もあるわけです。
また、1990年代にはカレンダームーンフェイズクロノグラフというコンプリケーションモデルも展開しており、複雑機構への取り組みも見られます。知名度こそ控えめですが、時計としての実力は決して侮れないブランドです。
2000年代以降のモデルにはどんな特徴があるのか?
ケープランドシリーズに代表される、スポーティなラインが登場しています。
ケープランド クロノグラフは、ボーム&メルシエが1948年に発表したデザインのDNAを受け継ぐモデルとして2000年代に展開されました。クラシカルなクロノグラフのデザインを現代的にアレンジしたモデルで、日常使いしやすいスポーティさが魅力です。
1950年代の金無垢ドレスウォッチから2000年代のスポーツクロノグラフまで、幅広い時代・スタイルのモデルが存在するのもボーム&メルシエの面白さと言えます。
「ダサい」と言われることがあるのはなぜか?
知名度が低い=ダサい、という短絡的なイメージが原因ではないでしょうか。
時計の世界では、ブランド名の知名度がそのまま評価につながる傾向があります。「ボーム&メルシエ」と言っても、時計に詳しくない方にはピンとこないことが多い。その「知らない」が「大したことないブランド」という印象に変わってしまうことがあるようです。
しかし、実際のモデルを見れば、18金無垢の素材使い、個性的なケースデザイン、自社キャリバーの存在と、時計としての中身はしっかりしています。知名度で時計を選ぶのか、中身で選ぶのか。その価値観の違いが、ボーム&メルシエの評価を分けているのかもしれません。

こんな方におすすめしたい
金無垢の時計を手頃に楽しみたい方
ボーム&メルシエは1950年代から1980年代にかけて、18金無垢ケースのモデルを多数展開しています。同じ金無垢でも他の有名ブランドほど知名度プレミアムが乗らないため、素材の質感をリーズナブルに楽しめる選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
人と被らない時計を探している方
ヘキサゴンケースやスクエアケース、革文字盤のタンクなど、ボーム&メルシエには他ブランドでは見かけないデザインのモデルが揃っています。Ref.1718のグレーダイヤル・スクエアケースのように、端正でありながら個性的な1本を見つけられるかもしれません。
ブランドの知名度より時計の中身を重視する方
Cal.BM17001のような自社キャリバーや、カレンダームーンフェイズクロノグラフなどの複雑機構モデルも存在します。「どのブランドか」ではなく「どんな時計か」で選びたい方には、ボーム&メルシエは発見の多いブランドではないでしょうか。
ヴィンテージ時計のコレクションに幅を持たせたい方
ロレックスやオメガのコレクションに加えて、もう少し違う方向性のモデルを探している方にも向いています。1950年代から2000年代まで、時代ごとにまったく異なる表情を持つモデルが揃っているため、コレクションの奥行きを広げてくれるブランドです。
よくある質問
Q.ボーム&メルシエは安いブランドなのですか?
A. 新品の定価帯は決して安くはなく、スイスの老舗高級時計ブランドに位置づけられます。中古市場で手頃になっているのは、日本での知名度が限られているためで、品質が劣るわけではありません。
Q.ボーム&メルシエのヴィンテージは修理できますか?
A. 汎用キャリバーを搭載したモデルであれば、パーツの入手性も比較的良好です。自社キャリバーCal.BM17001などについては、経験のある時計師への依頼が安心です。
Q.ケープランドとはどんなモデルですか?
A. ボーム&メルシエが2000年代に展開したスポーティなクロノグラフラインです。1948年に発表されたデザインのDNAを受け継いでおり、クラシカルな雰囲気と実用性を兼ね備えたモデルとして知られています。
Q.ボーム&メルシエは資産価値がありますか?
A. 投機目的で購入されるブランドではありません。ただし、18金無垢モデルは素材そのものに価値がありますし、知名度が今後上がれば中古市場での評価が変わる可能性もあります。「使って楽しむ」ことを前提に選ぶのが良いのではないでしょうか。
まとめ
ボーム&メルシエが「安い」のは、品質の問題ではなく知名度の問題です。日本市場での認知度が限られている結果、中古市場では実力に対して控えめな価格がついている。
18金無垢ケースのモデルが多く、スクエアやヘキサゴンといった個性的なケース形状も揃っている。自社キャリバーCal.BM17001を搭載したモデルや、ムーンフェイズクロノグラフのような複雑機構モデルまで存在する。こうした中身を知ると、「知名度が低いからこそお得」というのが率直な感想ではないでしょうか。
ブランド名で選ぶのか、時計の中身で選ぶのか。その答えがはっきりしている方にとって、ボーム&メルシエは思いがけない発見のあるブランドかもしれません。
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