ロレックス vs チューダー ヴィンテージ比較|兄弟ブランドのケース・ムーブメント・サブマリーナ

2026.05.01
最終更新日時:2026.05.01
Written by 編集部

ロレックスとチューダーは兄弟ブランドです。チューダーはロレックスの品質を維持しながらより手の届きやすい価格帯を実現するブランドとして展開されました。

この記事では、ヴィンテージ市場におけるロレックスとチューダーの関係性を、ケースやムーブメントの違い、サブマリーナの比較などを通じて解説します。両ブランドに関心のある時計愛好家の方に、それぞれの個性と魅力をお伝えできれば幸いです。

ロレックス vs チューダー ヴィンテージ比較 文字盤

兄弟ブランドの関係 ― ロレックスとチューダーの成り立ち

チューダーはロレックスの「ディフュージョンブランド」として位置づけられています。外装部品にロレックスの技術を活用しつつ、ムーブメントに汎用機を採用するという構成により、ロレックスの堅牢性を維持しながらも異なる価格帯を実現しました。

この戦略により、チューダーはロレックスと同等のケース品質を持ちながら、独自の価格帯を実現しています。ヴィンテージ市場においても、両ブランドの関係性を理解することは、各モデルの特徴を正しく評価するうえで重要です。


ケース・リューズの共通点 ― ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVA

ヴィンテージ・チューダーの大きな特徴のひとつが、ロレックス製のオイスターケースとリューズを使用している点です。裏蓋には「ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVA」の刻印が入っており、ケースの製造元がロレックスであることを示しています。

たとえばチューダー サブマリーナ Ref.79090は、40mmのオイスターケースにロレックスの王冠リューズを備えています。また、盾薔薇オイスター Ref.4453(31mm)にもロレックス製オイスターケースが採用されており、チューダーの初期モデルからこの関係が続いていたことがわかります。

リューズに刻まれた王冠マークもロレックスと共通です。Ref.79090のような1980年代後半のモデルでも王冠リューズが使用されており、外装パーツの共有は長期間にわたって継続されました。

チューダー サブマリーナ ロレックス製オイスターケースとリューズ

ムーブメントの違い ― 自社製 vs ETA製

ロレックスとチューダーの最大の違いは、ムーブメントにあります。

ロレックスは自社製ムーブメントを搭載しています。サブマリーナ Ref.5513にはCal.1520(自動巻き、26石、18,000振動/時)、デイトジャスト Ref.1601やオイスターパーペチュアルデイト Ref.1500/1501にはCal.1570(自動巻き、26石、18,000振動/時)が採用されています。

一方、チューダーはETA製ムーブメントを採用しました。サブマリーナ Ref.79090およびミッドサブ Ref.75090にはCal.2824-2(ETA製)が搭載されています。ETA製ムーブメントは汎用性が高く、メンテナンス時の部品供給が比較的容易であるという実用上の利点があります。

項目ロレックスチューダー
ムーブメント自社製(Cal.1520、Cal.1570等)ETA製(Cal.2824-2等)
石数(Cal.1520/1570)26石
振動数(Cal.1520/1570)18,000振動/時
メンテナンス部品ロレックス純正ETA汎用部品が使用可能

この違いは、ヴィンテージウォッチを長く使ううえで実用的な意味を持ちます。ETA製ムーブメント搭載のチューダーは、オーバーホール時の部品調達がしやすいという特徴があります。



サブマリーナ比較 ― Ref.5513 vs Ref.79090

両ブランドのサブマリーナを具体的に比較してみます。

ロレックス サブマリーナ Ref.5513は、1962年から1989年まで約27年間製造されたロングセラーモデルです。40mmケース、200m防水、Cal.1520搭載。製造期間が長いためダイヤルのバリエーションが豊富で、ミラーダイヤル(1960年代中期)メーターファースト(1960年代後半)など、年代ごとの仕様違いがコレクターの注目を集めています。

チューダー サブマリーナ Ref.79090は、Cal.2824-2を搭載した40mmモデルです。王冠リューズ、フチなし夜光、巻きブレスという仕様で、ロレックス Ref.1680を彷彿とさせる雰囲気を持っています。

さらにチューダーには、ロレックスにはないミッドサブ Ref.75090(36mm)というサイズも存在します。36mmはデイトジャストと同じケース径であり、ダイバーズウォッチとしてはコンパクトなサイズ感が特徴です。手首の細い方やドレッシーな着用を好む方にとって、このサイズのサブマリーナはチューダーならではの選択肢といえます。

チューダー サブマリーナ Ref.79090 と ロレックス サブマリーナ Ref.5513 比較


チューダー独自の魅力 ― デカバラと小薔薇

サブマリーナ以外にも、チューダーにはロレックスとは異なる独自のモデルが存在します。

デカバラ Ref.7962は、12時位置に大きな薔薇(バラ)マークが配されたモデルです。手巻きムーブメントを搭載しており、チューダーの象徴的なデザインとして知られています。

オイスターアスリート小薔薇は、Cal.1272を搭載した1950年代のモデルで、ハニカムダイヤルが特徴です。「小薔薇」の名のとおり、デカバラに比べて控えめなサイズの薔薇マークが配されています。

これらのモデルは、ロレックスのラインナップには存在しない、チューダー独自のデザイン言語を持つモデルです。チューダーの取扱はFIRE KIDSのチューダー商品一覧でも確認いただけます。


こんな方におすすめしたい

ロレックスとチューダーの違いを正しく理解したい方

兄弟ブランドとして知られる両ブランドの関係性を、ケースやムーブメントの具体的な違いから把握したい方に適した内容です。

チューダーのヴィンテージモデルに関心がある方

ロレックス製オイスターケースを使用しながらETA製ムーブメントを搭載するチューダーの特徴を理解し、メンテナンス性を含めた実用面での判断材料を求めている方におすすめです。

サブマリーナの購入でロレックスかチューダーかを迷っている方

Ref.5513とRef.79090の比較や、チューダーにしかないミッドサブ(36mm)の存在など、サブマリーナ選びの視点を広げたい方に役立つ情報です。


よくある質問

Q.チューダーはロレックスの廉価版なのでしょうか?

A. 「廉価版」という表現は正確ではありません。チューダーはロレックス製のオイスターケースと王冠リューズを使用しており、外装の品質はロレックスと共通です。ムーブメントにETA製を採用することでコストを抑えた構造ですが、ケースの堅牢性においてはロレックスと同等の水準にあります。

Q.ヴィンテージ・チューダーのメンテナンスはロレックスより容易ですか?

A. ETA製ムーブメントを搭載しているため、オーバーホール時の部品調達は比較的容易です。ロレックスの自社製ムーブメントは純正部品の入手が必要になる場合がありますが、ETAの汎用部品は流通量が多いという利点があります。ただし、ケースやリューズなどの外装パーツはロレックス製のため、外装の補修にはロレックス部品の知識が必要です。

Q.チューダーのミッドサブ(36mm)はどのような方に向いていますか?

A. 手首の細い方や、ダイバーズウォッチをドレッシーに着用したい方に適しています。40mmのサブマリーナに比べてコンパクトで、デイトジャストと同じケース径のため、ビジネスシーンでも使いやすいサイズ感です。ロレックスにはこのサイズのサブマリーナが存在しないため、チューダーならではの選択肢です。


まとめ

ロレックスとチューダーは、オイスターケースと王冠リューズという外装を共有しながら、ムーブメントの選択によって異なる個性を持つ兄弟ブランドです。ロレックスは自社製ムーブメントによる一貫した品質管理、チューダーはETA製ムーブメントによるメンテナンス性の高さと独自のデザイン展開。それぞれに異なる魅力があります。

ヴィンテージ市場において両ブランドを比較することは、単なる優劣の判断ではなく、自分の好みや使い方に合ったモデルを見つけるための重要な視点です。

■ 共通点 → ロレックス製オイスターケース+王冠リューズ(ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVA)
■ 違い → ロレックス=自社製ムーブメント/チューダー=ETA製(Cal.2824-2 等)
■ サブマリーナ → ロレックス Ref.5513(Cal.1520)/チューダー Ref.79090(Cal.2824-2)/ミッドサブ Ref.75090(36mm)
■ チューダー独自 → デカバラ Ref.7962、オイスターアスリート小薔薇(Cal.1272)

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